★◆アホばっか ページ12
・side.Seiya
「はぁぁ……、」
リ「でっかいため息やな。幸せ逃げんで?」
「もう逃げてるやろ。七夕公演やりきった幸せが」
リ「規律委員会の呼び出し確定して?(笑)」
「あんだけやるなって、ってそれは別にえぇんやけど」
連れションや言うて大晴引きずってった小島は戻ってこぉへんし、
正門とユキもおらんし。
なんやねんもう。
「しゃぁない、先に撤収始めよ」
リ「了解。全員撤収ー。ミーティングはその後な」
―はーい、―
わいわいしとる部員引き連れて搬入口に行ったら、
「……ここにおったんかいな」
良「あれ?明日授業で使うから、
急いで撤収せなって言うてませんでした?」
「そんなん言うたっけ」
良「結城と待っとったのにだぁれも来ぉへんから、
先帰ろうか思ってましたよ(笑)」
「帰んな、お前座長やろ」
良「あはは、すんません」
けらけら笑ってる正門の後ろで顔を伏せてるユキ。
……まぁ、そういうことにしといたるわ。
―おっきいセットから運ぶぞー―
―役者組は着替えてからでえぇから小物持ってきてな―
―記念写真は後でえぇの?―
健「すんませーん。遅くなりましたぁ」
「おう。えらい長いトイレやったな」
健「すんません。たいせーがもうびぃびぃで」
「アホ。で、大晴は?」
健「あー、急にばあちゃんの元カレの孫の婿が死んだとかで
先帰らせました」
「それどんな顔して葬式行くねん」
健「てへ♪」
「んで?ほんまは何があったん」
健「まぁ……、何か見たんやないんすか。
ドラマチックな恋愛劇でも」
「はぁ……。ほんま全員アホや」
アホばっかや。
どっぷりと深いため息が出る。
―うわぁ、倒れる倒れる!―
―あぶなぁい!―
―ギャーッ!!―
「ちょ、もぉ何してんねん!!」
もうえぇ。
とにかく今は何も考えんと片付けしよ。
これ以上溜め息ついたら、ほんまに幸せが逃げそうや。
・
「ほんなら次は水曜に反省会やるから全員参加で。
それじゃ、改めて」
―お疲れさまでしたー!―
良「金曜に打ち上げやるんで来てくださーい♡」
―はぁい!―
ぞろぞろ帰っていく部員を見送りながら、
「正門」
良「なんですか誠也くん?」
「アホ、」
良「え、なによいきなり(笑)」
「お前らまだ付き合わんの?」
良「……何の話です、」
「可哀想やわ」
良「誰が、」
「俺が、」
良「あんたかい」
けらけら笑てる正門を軽く睨みながら、また溜息が零れた。
106人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:マリア | 作成日時:2023年8月18日 15時