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ガチャ、
心配そうな顔をしながら先輩たちが昼休憩に出て行って、
稽古場には私と正門先輩だけ。
……よし。
深く息を吐いたら、
それに気づいた正門先輩が「あれ？」って振り向いた。
良「エリーちゃんは休憩行かへんの？
ってかそもそも稽古場に何かご用やった？」
床にあぐらをかいて台本を読んでた正門先輩は
にこっといつもの笑みを浮かべて見あげてくる。
だけど、その笑みにはどこか違和感があって。
「えっと、今日衣装班の買い出しに行ってて。
その領収書を渡してほしいってキク子先輩から頼まれました」
預かった領収書を渡したら、
「あぁ、」って思い出したような顔をする先輩。
良「そういや今日やったか。
にしてもキク子も人使い荒いやっちゃなぁ(笑)
最近全然会うてへんから会いに来てくれてもえぇものの。
……いったい、何を考えてるんやら」
ぼそっとそう呟く声と乾いた笑みを浮かべたお顔は
やっぱりいつもの正門先輩らしくなくて
ほんとは、少しだけ怖い。
「キク子先輩忙しいみたいで……、私ですみません」
良「いや、別にエリーちゃんが謝ることちゃうやろ(笑)」
「……あの、正門先輩、」
良「ん？なに？」
勇気を出して隣に座ったら
綺麗な瞳でじっと私を見てくるから、
それだけでもう怖気づきそうになる。
「えっと、その、」
頑張れ私、負けるな自分。
いつものおまじないを言い聞かせても
膝の上で握りしめた手はずっと汗をかいてて、
良「ゆっくりでえぇよ、全部聞くから」
あ……。
その台詞を口にした表情は
私の知ってる正門先輩だったから、
それでようやく覚悟が決まった。
頑張れ、エリー。
「正門先輩、」
良「はい、なんでしょうか」
「あの、……チョコレートを受け取ってくれませんか」
良「え？」
バッグから取り出した2日遅れのバレンタインチョコ。
「その、ただ溶かして、固めただけなんですけど、」
だけど1人で作ったらやっぱり時間もかかったし、
綺麗な形にならなくていっぱい失敗作もつくっちゃったし、
ラッピングも何回もやりなおししたけど。
「正門先輩に、食べてもらいたくて」
正門先輩に似合いそうな濃いブルーのリボンをかけた
小さい箱を差し出したら、
自分でも分かるくらい手が震えてた。
良「わざわざ俺のために作ってくれたん？」
「はい、」
小さく頷いて居ずまいを正したら、
すぅっと深く息を吸った。
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マリア(プロフ) - ろにくまさん» ろにくまさんお久しぶりです！現実逃避の場にしてくださってたのに不甲斐ない事になりすみせん。私にとってはろにくまさんのコメントが暖かくて今も嬉しくて仕方ありません。過去作はバリバリ書き直してますのでそのうち必ず戻ってきます。その時はぜひまた。 (3月28日 2時) (
レス) id: 98df0cf24d (このIDを非表示/違反報告)
ろにくま(プロフ) - 長くなってしまいましたが、どうか無理をなさらず、マリアさんにも私にも彼にも彼らにも、幸せが訪れることを祈っております。 (3月26日 1時) (レス) @page7 id: 2f3320c7da (このIDを非表示/違反報告)
ろにくま(プロフ) - マリアさんが大切にこの物語を綴ってくださるおかけで、キミ恋！は私の現実逃避の場となっていました。私のような読者の拠り所になれる、暖かい場所を作ってくださりありがとうございます。 (3月26日 1時) (レス) @page7 id: 2f3320c7da (このIDを非表示/違反報告)
ろにくま(プロフ) - お久しぶりです。私もあの日から年末に感じた苦しさとはまた違った苦しさを感じております。彼以外を好きな方との気持ちの差や5人で進む現実に潰されてしまいそうな日々です。 (3月26日 1時) (レス) @page7 id: 2f3320c7da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2024年3月9日 0時
