◆“頑張ってきた証拠だよ” ページ11
・side.Seiya
店から飛び出してった大晴が
置き土産みたいに鳴らしてったドアベルの音が
聞こえへんくなって、
淳「……ふふっ」
「なんすか、淳太くん」
淳「いや、みんな青春しとんなぁって思ってな」
くすくす笑いだした淳太くんが
優しい表情して俺を見てくんのがなんか恥ずくて、
水飲むふりして目をそらしてまう。
「まぁ……、これでうまくいけばいいんすけどね。
ユキも、正門も、大晴も」
淳「まぁ、あとは当人達次第やろ。
すえ達もできる限りのことはしたんやし」
「お待たせしました、」って淳太くんが置いたコーヒーから
いつもの香りが漂ってくる。
淳「結城ちゃんと正門くんの件は
俺も無関係ではないからさ。
ちゃんと前に進んでほしいなって願ってるよ」
「え、淳太くん何か知ってるんすか？」
淳「んー？まぁ、ぼちぼちな」
意味深な含み笑いを浮かべながら、
多分、大晴の分やったコーヒーをちゃっかり自分で飲みながら
スツールに腰かける淳太くん。
淳「……今やから言える話やねんけどさ。
俺な、すえが「部長になる」って言うた時、
正直、すえじゃない方がえぇんちゃうかって思ってたんよ」
「え、そうやったんすか？」
思いがけないカミングアウトに淳太くんを見たら、
懐かしそうな顔して「おん」って頷いて、
淳「すえはみんなを引っ張ったりまとめるより
プレーヤーとして伸び伸びやる方が
合ってるんちゃうかなってそん時は思ってさ」
そんなん思ってくれてたんや……。
今も変わらず見守ってくれてる先輩に
胸がぐっと熱くなる。
淳「けど、今はそうは思ってへん。
すえが悩んだりぶつかったりしながら
みんなと関わってきたんが、
今の演劇部をつくったんやと思うし、
そんな演劇部に入った大晴くん達も
演劇部が大好きで、守りたいって思うてるやろうから」
俺を見た淳太くんの目がくしゃっと細くなる。
淳「大丈夫。
すえが守りたいもんは全部守れるよ。
今、みんながこうして動いてくれるのは
すえが頑張ってきた証拠やから」
あ……、これあかんかも。
最近なかった目がじくじく熱を持つ感覚に
慌てて上を向いた。
「……淳太くんってたまにズルいっすよね」
淳「何がやねん、先輩に向かってズルいとか言いなや(笑)」
バレへんようにこっそり目元を拭った俺に
先輩はふふって優しい笑みを浮かべて、
カウンター越しに「お疲れ様」と頭を撫でた。
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マリア(プロフ) - ろにくまさん» ろにくまさんお久しぶりです！現実逃避の場にしてくださってたのに不甲斐ない事になりすみせん。私にとってはろにくまさんのコメントが暖かくて今も嬉しくて仕方ありません。過去作はバリバリ書き直してますのでそのうち必ず戻ってきます。その時はぜひまた。 (3月28日 2時) (
レス) id: 98df0cf24d (このIDを非表示/違反報告)
ろにくま(プロフ) - 長くなってしまいましたが、どうか無理をなさらず、マリアさんにも私にも彼にも彼らにも、幸せが訪れることを祈っております。 (3月26日 1時) (レス) @page7 id: 2f3320c7da (このIDを非表示/違反報告)
ろにくま(プロフ) - マリアさんが大切にこの物語を綴ってくださるおかけで、キミ恋！は私の現実逃避の場となっていました。私のような読者の拠り所になれる、暖かい場所を作ってくださりありがとうございます。 (3月26日 1時) (レス) @page7 id: 2f3320c7da (このIDを非表示/違反報告)
ろにくま(プロフ) - お久しぶりです。私もあの日から年末に感じた苦しさとはまた違った苦しさを感じております。彼以外を好きな方との気持ちの差や5人で進む現実に潰されてしまいそうな日々です。 (3月26日 1時) (レス) @page7 id: 2f3320c7da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2024年3月9日 0時
