◆似た者同士 ページ9
・side.Seiya
トントン
「会議中悪い……ってあれ、2人だけ？あとは？」
6月にやる七夕公演の
打ち合わせ真っ最中なはずの部室のドア開けたら、
何故か
結「えっと、一旦休憩というか」
良「ちょーっとエキサイトしすぎたから頭冷そか、となりまして」
「えぇ……、まぁ分からんでもないけど、」
七夕公演は2年が初めて自分らだけで創る舞台やし、
去年の俺らん時は、
俺が「これやりたい！」ってのを
みんなが協力してくれたような感じやってんけど。
今年の2年は全員が全員我が強いというか拘りあるというか、
そら……、エキサイトもするわな。
結「誠也くん、舞台上でキスする時って
本当にやるのはダメでしたよね？」
「そ。してるフリはえぇけど
学内公演は何故かマジキス禁止って決まってんねん」
良「ですよねぇ……」
「なに、まだ諦めてへんの？」
結「いや、私じゃなくて
「えっ、なんでキスする本人らがノリノリなん？」
良「誠也くん、俺はノリノリちゃうんですけど」
結「まなぁちゃん曰く『イギリスなら当たり前よ！』と」
「留学前にもうブリティッシュナイズされてるやん」
良「で、キク子は『まっさんと合法でキスするんおもろい』と」
「どこに喧嘩売るつもりやねん、菊好は……」
気ぃ強い女優2人にオロオロする光景が浮かぶようで
眉間に皺がよってくる。
「正門はどう思ってるん？」
もう1人の当事者である正門に訊いたら
太めの眉を困り気味に下げつつ、
良「まぁ、お嬢さん方の熱意は
前向きに受け止めようとは思ってますけど」
「言っとくけど舞台上で受け止めんなよ？
後で規律委員に呼び出されるん俺やねんから」
結「ご迷惑おかけします、部長」
「ほんまやで。ユキの脚本ちゃうかったらとっくに却下しとったわ」
申し訳無さそうにしてる割には
意外と譲らんとこあんねんもんな、ユキも。
良「ところで誠也くん何しに来たんです？」
「あ、そうそう。
リチャの彼女が書いてくれた題字持ってきたで」
結「あ、助かります」
目をキラッとさせた2人の前にじゃーん！と紙を広げみせる。
良「おぉっ」
結「……いい」
「やろ？ええよな、字に色気あって」
まさに題名を表したような文字、
結「『欲動』……うん、いいね」
良「せやな、結城」
そんで、今のお前らにぴったりな言葉や。
〇初めまして、王子さま。‐Blue→←〇不意打ちはよろしくない-Yellow
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
