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―え、名前何て言うん？―
「佐野晶哉です」
大「晶哉くんか。よろしく！俺、福本大晴！」
「あ、お願いします。福本先輩」
大「俺、みんなから「大晴」って呼ばれてるし先輩もいらんで？」
「そうなんすね(笑)それじゃ、“大晴くん”で」
大「おん、よろしく！」
段ボール持ってきながら色々聞いてみたら、
大晴くんは社会学科の1年生で4月から演劇部に入ってるらしい。
演劇経験はないらしいねんけど、
大「……なんか、ピピッ！ってきちゃったんよ(笑)」
なんてはにかみながら言うてて、
あー、きっと運命の出会いみたいなんがあったんやなぁって
しみじみ思っとったら、
いつの間にかおっきな建物の前についとった。
大「ここ迷うよな、俺も最初めっちゃ迷ったもん(笑)」
「僕、今初めてここ見ました」
大「あははっ(笑)よっしゃ、最後のひと踏ん張りや。行こ！」
「はい！」
2人で気合入れて3階分、階段を昇る。
めっちゃしんど……！
はぁはぁ言いながら最後の階段を昇りきったら
そこにはもう人がいっぱい集まっとって、
―あっ、大晴パンフあった？―
大「はい、ありったけ持って来ました！」
―ありがと、じゃあこっちに頼むわ！―
大「はい！」
案内された受付の後ろにパンフレットを運んで、
ようやくこいつともお別れや！って
どすっと段ボールを置いたら、
結「あれ、晶哉？」
大好きな声がして瞬間反射で振り返ったら、
目の前にはやっぱりAちゃんがおった。
「Aちゃぁん、会いに来たー！やっと来れたぁ！」
結「うわっ！あらら、晶哉どうしたの？(笑)」
俺的には感動の再会やから嬉しくてぎゅぅっ！と抱きついてもうて。
Aちゃんに「よしよし」って頭撫でられとったら、
大「え、晶哉くんの知り合いってユキさんやったん！？」
俺らを見る大晴くんの顔はめっちゃビックリしとって。
あれ、言うてなかったっけ？
結「晶哉、大晴くんと知り合いなの？」
「そう、ここまで大晴くんが案内してくれてん」
結「あらら、大晴くんごめんね。
うちの晶哉がご迷惑かけちゃったみたいで」
大「あ、いやいや！
俺も荷物持ってもらって助かったんすけど、」
きょろきょろ俺らを見ながらなんか挙動不審な大晴くん。
大「その、2人はどういう関係で？」
「大好きなお姉ちゃんです」
結「幼馴染です」
大「あ、幼馴染、あ、あぁ！そういう！」
え、なに？
「そういう」って何よ、大晴くん。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
