★〇このキラキラの正体は。‐Blue ページ40
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―ご来場いただきましてありがとうございます。
学生さんですか？一般の方ですか？―
「あっ、学生、です」
―じゃあ学生さんはここに学科とお名前をお願いします―
「はい、」
文化言語学部心理学科、
少しは書き慣れてきた自分の学科と名前を
筆ペンだからっていつもより丁寧に書く。
―心理学科の江里口さんですね。
これ、今日の舞台のパンフレットとアンケートです。
ご協力お願いします―
「あ、ありがとうございます」
―会場内に入ったらスマホはマナーモードか電源切ってもろて。
開演5分前までには着席してお待ちください―
「はい、分かりました」
顔立ちがはっきりした男の子にハキハキと案内されて、
ついぽぉーっとお顔を見つめちゃう。
やっぱり演劇部ってかっこいい人多いんだ……。
よく見たら隣で受付してる男の子も、すっごくかわいいお顔してるし。
―ん？誰か探してます？―
「あ、いえ！その、」
―その？―
「……ま、正門さんはいらっしゃいますか？」
―あー……、まっさんならもう準備行ってていないっすね―
「あ、そうなんですね……」
―まっさんのファンなんすか？―
「えっ、いえ！この間色々と助けてもらって、それで、」
―あ、そうゆう？けど今日はまっさん忙しいかも知らんで？ほら、―
お兄さんが指さす方を見てみたら
ポスターの前で写真を撮ってる女の子の集団がいて。
―あれ、みーんなまっさんのファン。
公演終わったら写真撮るって息巻いとったし―
「そ、うなんですね……。分かりました」
―おい、こじけん。そっちお客さん―
―あ、たいせーすまん。じゃ、そーゆーことで―
「あ、ありがとうございました」
親切な受付のお兄さんにお礼を言って、すごすごと会場に入る。
ホールの重い扉を開けた瞬間、
会場の中はぴんと張り詰めた空気が漂っていて
あぁ、舞台を観に来たんだ。って一気に緊張してきた。
お揃いのシャツの人達は、多分部員さんだよね？
今日は初日って言ってたからお客さんも多いし、
できるだけお邪魔にならないように
端っこの席に座らせてもらお。
「すごいなぁ……」
なんだか、ワクワクする。
ケータイの電源が切れてることをちゃんと確認して
もらったパンフレットを開いてみる。
この間もらったチラシとは違って、
お芝居の内容やキャストのプロフィール紹介なんかもあって
本格的なんだなぁってパラパラ捲ってたら、
「あ、正門先輩」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
