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健「ほら、はよ靴履きや」
「お、サンキュ！」
健「よし、ほんならずらかるで」
「おん」
健「あ、1個忘れとったわ」
「なに？」
健「……かわえぇやん、たい美ちゃん」
「え、」
こじけんが俺のほっぺたを優しく撫でる。
え、これってネタやんな？
ほんま一瞬だけときめいちゃってんけど。
え？
健「先輩方、とっととずらかりますよ！」
―おおぉぉぉっ！！―
―おい、ちょっと待てやぁ！！―
叫んでる変態どもは無視して一目散に教室から逃げ出す。
「もぉ、パンプス走りづらっ！」
カツラ邪魔やわ！
階段駆け下りながら鬱陶しい髪の毛取って旧棟を脱出したら、
部室目指して走って。
健「ふっ、ははっ(笑)」
「何笑ってんねんこじけん！」
健「いや、俺らアホやなぁって(笑)」
「後ろ見てみ？」ってこじけんに言われるまま振り返ったら、
覆面黒パーカーって怪しすぎる一団が
全力でダッシュしてるから、
「はは、せやなぁ！俺ら何やってんねん！(笑)」
俺もへんてこな女装姿で走ってるから
人のこと言えへんけどさぁ(笑)
健「せんぱぁい！」
―なんやねんこじけん！―
健「俺、この部活入ってよかったすわ！！」
「俺も！！」
―そうか、俺もやっ！(笑)―
―やったったでぇー！！―
―ふぉぉぉぉぉ！！―
夜の大学をバカ騒ぎしながら走って
部活棟の階段一気に駆け上がって、
ガチャッ、
―ただいまぁ！―
健「まっさん帰ったで！」
「やったったで！」
誠「……遅かったな」
そこには正座させられて後ろ手に捕まってる正門先輩と
目が据わってる末澤先輩。
あ、あかん。
これ、終わった。
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誠「……で？
打ち合わせや言うて俺に内緒でやったんが、闇討ちやったと」
全員覆面を置いて正座させられてる部室に
ドスの効いた末澤先輩の声が響く。
誠「お前ら分かってる？
あと1ヵ月もせんと七夕公演なんやで？
2年は初めて自分らで作る舞台やんか。
その大事な時期にこんなことして。なぁ、正門？」
良「はい、ほんまにおっしゃる通りです」
誠「やんな？……ほんま話にならへんわ、」
「はぁ、」ってその場が凍て付くような溜息をついて
末澤先輩が部室を出てってもうて。
リチャード先輩も何も言わへんし、
え、俺ら、これからどうなんねやろ。
「俺ら退部なん？」
健「まぁ、ワンチャン」
ガチャ、
ドアが開いてまた部室が静まり返る。
戻ってきた末澤先輩見て、
「……え、」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
