キミに恋するワンシーン！ (ページ33)

今日:43 hit、昨日:127 hit、合計:46,119 hit

◆なんちゃって正義のヒーロー大作戦！ページ33

・side.Taisei

「もぉほんまにイヤやって！！」

金曜日の17時過ぎの部室は、一言で言うたら“修羅場”やった。

菊「あぁちょっと！まだアイメイク終わってないから！」

良「逃げたらあかんよー、大晴(笑)」

「いや、逃げるわこんなん！！」

へらへら笑てる場合ちゃうやろ、助けてや正門先輩！

ってかそもそも、菊好先輩(キク子さん)と

地獄の鬼ごっこを繰り広げてるハメになったんは、

この人のせいやねんけど！？

―それは遡ること、月曜のまたまた部室でのこと。

『恋愛実践サークル？何かうさんくさい名前っすね』

良『そうやろ？噂によればかわえぇ新入生を狙って

　春になったら湧いてくるらしいねんけど。

　勧誘されてついて行ったが最後、

　身ぐるみ剥がされて無理やり、なんて話もあるらしいで？』

『よぉそんな犯罪紛いなサークル許されてますね……。

　で、そのサークルと俺らなんか関係あるんすか？』

良『そ。実はな、

　うちの新歓来てくれた子でほんまに声かけられた子がおってん。

　やっぱ怖かったんやろうなぁ、ちょっと顔色悪なっててな。

　な、可哀そうやろ？』

『まぁ、そらそうやけど……。

　やからってわざわざ俺らが何かすることあります？

　別にその子が入部するって訳でもないんですよね？』

良『はぁ……、なんちゅう冷たいこと言うねん大晴！』

『いや、なんなんすかそのわざとらしい関西弁』

良『今の話を結城が聞いたらきっと泣いてまうよ？』

『え、もしかしてユキさんもナンパされたん！？』

良『そうや。なんなら先に声かけられたんは結城の方やし、

　そん時のヤツの顔覚えとったから俺もそん子助けられたしな』

『ユキさん大丈夫だったんですか？』

良『まぁ、平気やって口では言うとったけど分からへんやん。

　そんな結城に向かって「俺のやることちゃう」なんて、』

『いや、そんなん一言も言うてないですって！』

良『お、ほんなら手伝う？結城の敵討ち』

『当たり前やん！

　ユキさんに手ぇ出されて黙ってられないっしょ！』

良『よしよし、ほんなら商談成立ってことで』

なんてやり取りがあって今日部室に呼び出されたら、

菊『大晴、女装してくれるやって？』

『え、女装？』

満面の笑みでメイク道具広げてるキク子さんと

「楽しみやなぁ♪」とか呑気に言うてる正門先輩。

あれ、これハメられた？

慌てて逃げ出そうとしたけど怪力2人に捕まってもうて

現在に至るっていう。