・ ページ31
・
菊「誠也先輩お金出してください！」
誠「え、なに急に！？」
部室に入るなり菊好先輩に泣きつかれて狼狽えてる末澤先輩に
事情を説明したら、
「あー……」ってめっちゃ嫌そうな顔して回れ右しようとするから
「逃げんな部長」ってリチャード先輩に捕まっとって。
誠「菊好あんな？俺も話は聞いてんねんけど
やっぱし予算ってのがあってな？」
菊「誠也先輩、衣装班がそんなんで妥協していいんですか！」
誠「いや、その熱意は汲みたいねんけど
20万ってほら、部活の予算的にな？」
健「そうですよねぇ、予算がねぇ」
いや、こじけんは何で参加してんねん。
お前入ってまだ2週間も経ってないやろ。
なんて心ん中でツッコんでみるけど、
面白いんかこじけんは全然戻ってこぉへんし。
なんか暇になってもうたなぁ。
ユキさんに挨拶して帰ろっかなって振り向いたら、
正門先輩と仲良さそうに肩寄せ合って浴衣のカタログ見とって、
結「この浴衣とかどう？」
良「あー、えぇなぁ。
けど俺の肌の色味的にもっと濃い色の方が雰囲気でぇへん？」
結「あ、確かにこっちの方が良さそう」
良「やろ？結城はお肌まっしろやからさっきのでも似合うやろけど」
結「そう？」
良「かわえぇおもちちゃんやもん。ほら、ぷくっと」
結「それはほっぺ」
おいコラちょっと待てや正門先輩！
なに普通にユキさんのほっぺぷにぷにしてんねん！
そんでユキさんもほっぺたぷくぷくなんてしたらあかんやん！
かわえぇけど！
これは帰るとか言ってる場合ちゃうわ、出動せな。
「ユキさん浴衣見てるんですか？俺も一緒に見たいなぁ」
結「もちろんいいよ。こっちおいで？大晴くん」
「やった！」
正門先輩の反対側陣取ってじっと威嚇しまくる。
同期やからってユキさんにはお触り禁止やから！
俺の目を誤魔化せると思うなよ！
良「え、なんか大晴にめっちゃ睨まれてない？俺」
そんなあざとい困り顔してもあかんで？正門先輩。
結「大晴くん、正門に何かされたの？」
「いや、何もされてないけど何かあやしいんで」
良「えぇ……」
よぉ思い出したら
定例会の時もなんかソレっぽい雰囲気しとったしな。
やっぱ正門先輩はちゃんと見張っとかな。
結「あらら、やっぱり分かる人には分かるのかもね？(笑)」
意味深に微笑むユキさんが俺の頭を撫でるから
くすぐったくて首を振ったら、
正門先輩は俺らを見て「まるで番犬やな」ってぼそっと呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
