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誠「〜……♪」
オーディオから流れる音楽を口ずさみながら
ご機嫌にハンドルを切る誠也くんの横顔を
つい、ちらちら目で追っちゃう。
かっこいいなぁ。
写真撮りたいけど、こっそり撮ったら怒られちゃうかな？
誠「どうかしたん？さっきから何もしゃべってないけど。
あ、もしかして具合悪なった？」
「え、ううん！具合は全然悪くない、けど」
誠「けど？」
「誠也くんの運転してるとこ、写真に撮りたいなぁ……って」
誠「なんやねんそれ(笑)
そんなんいくらでも撮ったらええやん」
あっけらかんとそう言われて、
私の悩んでた10分はあっという間に解決。
サングラス姿に、
ハンドルを握ってるところに、
あ、動画もちょっとだけ。
なんて真剣に撮ってたら、
誠「A？」
「なに？」
誠「写真撮んのはえぇけど俺とも話してくれへん？
さっきから写真ばっかやから
俺だいぶ暇やねんけど(笑)」
「あっ、……ごめんなさい、」
私ばっかり楽しんじゃった、って
スマホはすぐに片付けて猛反省する。
誠「今日の服かわえぇな。初めて見た」
「え、嬉しい！これ、合格のお祝いってお母さんから買ってもらったの」
見つけた時から一目惚れやった
ふんわりしたシルエットの淡いピンクのワンピース。
誠也くんに見てもらいたいなぁって思ってたから、
「かわいい」って言ってくれたのが嬉しくてほっぺが落ちちゃいそう。
誠「Aママ、最近会ってへんけど元気してるん？」
「うん、一昨日まで実家帰ってたんやけど、
お母さんとお父さん、今日から北海道行くんやって」
誠「相変わらず仲えぇな(笑)」
「ふふっ、うらやましいよね(笑)」
誠「……ほんなら、俺らも負けんようにデートせなあかんな」
「え？」
誠「ん？」
「デート？」
誠「……そんなん言った？俺」
何でもない顔で運転してる誠也くんを見ながら首を傾げる。
気のせいだったのかな？
確かに「デート」って言ってくれた気がしたんだけどな……。
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誠「ついたぁ……」
「誠也くん、運転ありがとう」
誠「どーいたしまして。ほら、はよ行こ」
車を降りたら周りは楽しそうなカップルや家族でいっぱいで、
「楽しみやね、誠也くん！」
誠「テンション上がるんはえぇけど迷子にならんようにな(笑)」
「もう、誠也くんひどい！」
また子ども扱いして！っていじけた気持ちは
公園に入ったらすぐにどっか行っちゃった。
「うわぁ、きれい……！」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
