キミに恋するワンシーン！ (ページ22)

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〇コーラは照れ隠し‐Purple ページ22

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ブゥ……

“次は○○高等学校の作品です、開演まで……”

―月見里高校のみんなぁ、そろそろ準備行くで？―

―はぁい、―

―よっしーセンパイ行きましょ！―

「あ、待って」

席を立つ前は周りに小道具の忘れ物がないか必ず確認する。

去年、副部長になってから習慣になったことのひとつ。

そうしないとどこかの誰かさんみたいに、

健『よっしー、俺の手袋』

『どうぞ。座席の下にありました』

健『さっすが、助かったわ』

『だいたい何でこっちに持ってきたんですか』

健『それがな、俺コイツと前世で結ばれる約束してんねん。

　連れてったらな後生やろ？』

『100均で見つけた運命の相手なんですね。

　ほら、さっさと準備行きますよ』

健『うわぁ、100円の恋も醒めるわぁ……』

なんて、誰がうまいこと言えと、誰が。

「……ふふっ(笑)」

不思議よね。

さっきまで緊張で心臓バクバク言ってたのに

小島先輩のこと思い出したら肩の力がすっと抜けるんやもん。

やっぱり小島先輩って特殊の能力でも持ってるんかな？

―よっしーセンパイ、もう始めていいですかー？―

「あ、うん！時間かかる人から着替えとメイク始めて」

よし、もう大丈夫。

いつも通り楽しんでいこう。

騒がしくなってきた控え室でパン、と頬を叩いた。

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―えー、今日はお疲れ様でした。

　みんなとってもいいお芝居してて、先生も感動しちゃって……―

―でもセンセ、いっつも泣いてるやん(笑)―

―ははは！―

―別に泣いてもえぇでしょ！まったくもう……。

　ともかく今日が新年度初舞台でしたけど、いい結果やったと思います。

　じゃあ先生は運び出した諸々持って先に学校戻ってるんで、

　皆さんは各々気を付けて帰ってきてください。

　あ、片付けサボったらあかんで？―

―はぁい(笑)―

「気をつけ、礼」

―ありがとうございましたっ！―

新年度最初の大会成績は「優秀賞」

一番上は「特別優秀賞」やけど

まぁ、今年の滑り出しとしては上々の結果かな、なんて

らしくもなく部長目線で考えてみたりして。

小島先輩も去年はこんなこと考えながら部長してたんかな……？

―よっしー、帰り寄り道してくやろ？―

「うーん、でもあんまり遅くなっても」

―ええやぁん、優秀賞取ったんやしちょっとだけ！

　たこ焼きでも買ってみんなで食べながら戻ろ、ねっ？―

「そうやけど……」

チラッと見るロビーに、探してる背中はやっぱりいない。