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え、これってピンチちゃう？って1人焦ってる隣で
ユキさんと正門先輩は難しい顔して話してて、
良「たつさんはもう書けへんねやろ？さっきの言い方からして」
結「うん……、私が書くことになりそう」
良「そっか。脚本どこまで詰めるつもりなん？」
結「出来れば、1年生にも何かしら関わってほしいから
余白は持たせといて脚本は早めにあげたいな、とは思ってるけど」
良「結城はそれで大丈夫そう？」
結「……まぁ、できるだけ頑張る」
ユキさんの返事に心配そうに眉を下げる正門先輩。
「あの、新入生公演って俺1人の場合どぉなるんですか？」
恐る恐る聞いてみたら
正門先輩はニヤッと意地悪い顔でこっち見てきて、
良「そら、福本くんのオンステージやろうなぁ。
45分の舞台をしっかり盛り上げてもらわんと」
「えっ、俺出っぱなしなん！？」
結「こら正門、大晴くんをあまりいじめちゃだめだよ？」
ユキさんの手がくしゃ、と俺の髪の毛を撫でて、
それを見た正門先輩が一瞬だけ目をおっきくした。
結「大丈夫、人手が足りない分は2，3年でカバーするから。
それに新入生が増えるのは毎年、七夕公演が終わってからだしね」
良「そうそう、ブースで興味持ってくれた子も
『公演観てから決めます』って言う子多いしな。
うち大学は演劇系のサークルも多いから
人数集まるまで時間かかんねん」
「へぇ、そうなんや……」
確かにこじけんも色々見てみるって言ってたしな。
芸能学部もあるからどこも新入生の取り合いなんやろな。
結「ふふっ、今度の公演で増えるのは部員だけだといいんだけどね」
良「えー、それお嬢さんが言うん？(笑)
あんな脚本あてといて」
結「あれは正門の色香をいっぱい感じたいなぁと思って、」
良「あらら、そんなん言われたら俺もちょっと頑張ってまうけど？」
一歩近付いた正門先輩と意味深に見つめ合うユキさん。
え、何この雰囲気。
なんかキスでもしちゃいそうやねんけど。
誠「休憩終わりー、席戻ってー」
末澤先輩の声でハッと視線を外したユキさんの頭を
正門先輩がそっと撫でる。
良「結城、また近いうちに飯でも行く？」
結「うん……、そうしてほしい」
良「了解、」
ひらひら手を振って席に戻っていく正門先輩が
「あ、忘れとった！」ってくるっと振り返った。
良「俺も“大晴”って呼んでもえぇ？福本くん」
「あ、はい、お願いします！」
良「ほんならよろしくな、大晴」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
