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「じゃあ、……“ユキさん”って呼んでいいですか？」
結「分かった。これからよろしくね？大晴くん」
「こちらこそ、よろしくお願いします。
……ユキさん」
結「ふふっ、大晴くんかわいい(笑)」
名前で呼び合うだけで何でこんなんきゅんきゅんしてるん？
こんな恋愛初心かったっけ、俺って。
にこにこ笑ってる結、“ユキさん”に見つめられるんが恥ずかしくて
ちょっと顔熱い気ぃするし。
誠「ほんなら次、脚本セク報告お願いします」
「あ、はい。大晴くんちょっと待っててね？」
こそっと俺に耳打ちしてユキさんが立ち上がる。
結「今日は巽先輩がお休みなので、代わりに私から報告させてもらいます。
脚本セクションの4月の活動は
七夕公演に向けての原稿の調整が主でした。
来月は9月の新入生公演に向けて脚本に取り掛かる予定なので
部内からもいい
以上です」
誠「そうか、もう新入生公演の脚本始める時期やんな？
巽はやっぱ出て来れへんって？」
結「まぁ、現状かなり厳しい……とのこと、」
誠「はぁ、マジか……。分かった。
俺らもできることは手伝うから、ユキも大変やろうけどよろしく頼むわ」
結「はい、」
困った顔して座ったユキさんを眺めながらぼんやり考える。
そっか、脚本今2人しかおらんって言ってたもんな。
脚本ってつまり「物語を創る」ってことやろ？
やっぱムズいんやろうなぁ……。
誠「ほんなら、10分休憩ー」
末澤先輩の声で一気に教室の空気が緩なる。
結「んん……。大晴くん、疲れてない？」
「俺は平気です、寝てたんで(笑)」
結「あはは、確かにそうだったね(笑)」
背中を伸ばすユキさんとの何気ない話も
何かえぇ感じで。
結「そう言えば、大晴くんの髪の毛柔らかいよね。
寝てる時の髪がふわふわしてたから、つい頭撫でちゃった」
「あ、やっぱりユキさんやったんや(笑)
けど俺の髪の毛ねこっ毛やしボリュームないからイヤなんすよね」
結「そうなの？多分髪を明るくす、」
良「結城、」
髪に伸びかけたユキさんの手がピタッと止まる。
結「正門、どしかした？」
良「いや、新入生公演の脚本悩んでるって話やったから
何か手伝うことあったらと思って」
「新入生公演？」
良「あらら、福本くん聞いてないん？
9月にあんねんで、1年生が主役の公演が2日間」
ちょっと待って、そんなん全然聞いてへんけど。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
