・ ページ15
・
晶「……そうなん？俺はそんなん思ってなかったけど、」
Aちゃん俺のことスタイルいいって思ってくれてるんや！
って心ん中ではガッツポーズ。
「友達にデニムに詳しい人がいてね。
晶哉が長く使えるものをって一緒に選んでもらったの。
だからちょっと今っぽいデザインではないかもだけど」
晶「そんなん気にならへんよ！
だいたい俺オシャレ分かってないし(笑)
それよりAちゃんが選んでくれたってことが
何10倍も俺の中では大事やから」
「ふふっ、ありがとう。
着た分だけ味が出るからって友達も言ってたし、
よかったら長く使ってあげてください」
晶「うん、めっちゃ着る！
これ着た俺と大学デートしてな、Aちゃん」
「ふふっ、分かった。待ってるね」
はぁ、幸せやなぁ。
さっきまで怒ってたんもどーでもよくなって
Aちゃんが選んでくれたデニムジャケット抱きながら
にこにこしてまう。
料理を持ってきてくれたお姉さんには変な目で見られたけど
そんなん関係ない。
これ着て大学デートするためにも勉強もっと頑張らな！
Aランチとジェノベーゼパスタが届いて美味しいなぁって食べてたら、
自然と話題も俺の受験の話になって。
「勉強は順調そう？」
晶「まぁ勉強の方はぼちぼち。
けどピアノは作曲しなあかんから今からもう焦ってる。
題材どうしよー！とか」
「芸能音楽部の音楽科かぁ。
同じ大学にいるのにやってることはまるで違うんだもんなぁ。
ごめんね、何もアドバイスとかできなくって」
晶「そんなん気にしやんといてよ(笑)
Aちゃんと同じ大学やっていうのが
俺にとっては何より大事やことなんやから」
申し訳なさそうな顔してるAちゃんに
キッシュをあげたら、ぱくって食べて「おいし」って笑うんが可愛くて。
この表情が見れんねやったら、
いっくらでもご飯食べさせてあげたいくらい。
「……でも、本当にいいの？
晶哉ならもっと専門的な国立の音大だって目指せるのに」
もう、そんな表情せんといてよ。
Aちゃんはほんまに優しいんやから。
食べさせよう思ってたプチトマト置いて
Aちゃんの手をぎゅっと握ってみる。
晶「別にAちゃんが変に気負うことないで？
同じ大学受けたいって言ったんは俺なりに目的があってのことやし。
やから、応援しといて？俺が無事受かるようにって。
それが一番力になんねんから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリア | 作成日時：2023年8月11日 17時
