キミ、カオル。I【すとぷり】

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『ア・・ヲ、・・ナイ』


私と同じぐらいの女の子が俯いて泣いている。


これは……夢。


貴方は誰？


なんで泣くの？


「朝だよ、お姫様(プリンセス)」


意識の外から誰かの声がする。


「A？」


この優しい苺のカオリは、なーくんだ。


私の意識は夢から現実世界へ戻り始める。


泣いてる女の子を置き去りに。


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「んっ……」


「おはよう、A」


今までと違う誰かがいる朝。


「じゃあ、俺起こしに来ただけだから、下で待ってるね」


「りょうかいですっ！」


ベッドから降りて部屋を見渡す。


白で統一されたシンプルな部屋。


私の新しい砦。


昨日はあの後本当に大変だった。


簡潔に言うと私はあの6人とこれから生活を共にして行くことになった。


ガールズバーで働いている事が義父にバレている今、あそこに帰る事は危険だと全員に止められた。


オーナーに辞めると連絡をすると一言、今見つけた居場所を大切にしろっとだけ言われた。


ボロ泣きした。


そして未だに理解の追いつかないこのビルの構造。


１階のお店の従業員専用ロッカー室にある階段を上がるとそこは普通の家のようにリビングが広がっていた。


キッチンにお風呂、ソファにテレビ普通の家と何ら変わらない。


さらに3階に上がるとそこには部屋が8つあって、1本の廊下の左右に4部屋ずつ。


右奥から空き部屋、ころんくん、莉犬くん、るぅとくん。


左奥からさとみくん、空き部屋、ジェルくん、なーくん。


と言う、配置でころんくんとさとみくんのじゃんけんの結果私はさとみくんとジェルくんの間の部屋を使うことになった。


どうやら地下もあるとかないとか。

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