キミ、カオル。I【すとぷり】

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side…ジェルくん

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やっぱり女の子から自分と同じカオリがするのはちょっとそそる。


無意識にAの髪の毛に触れていた。


その時ピリッと鎖骨に走った甘い痛み。


俺の肌に散った赤い花びら。





「ジェルくん」





Aが顔をあげる。


視線が絡み合う。


Aの指がシルシに触れる。





「これで私のモノ」





小悪魔。


その言葉がぴったりな笑みを浮かべたA。




━━━━━━━━無自覚なんだよ。全部




やってしまった。



「……そう言うことか」



小さな俺の呟き。



「どうしたの？」



顔をちょっと覗き込みながらのキョトン顔。



「……いや。無自覚って侮れへん」


「えっ？」



自分でも驚くぐらい鼓動が速い。


俺だけドキドキするのはちょっと癪だから。



「……Aのモノになっちゃったんだから最後まで責任持ってや」



後頭部に手を添えて優しく引き寄せる。


Aも俺にドキドキすればいい。



「じ、ジェルくっ」



離れようとするA。


今、離れられたら。


顔が赤いのがバレてしまう。



「だめ。今は絶対離さへん」



ぐっと腕に力を入れる。


触れた肌からお互いの熱が伝わる。




ダメだ。


その熱に溺れちゃ。




俺は、恋を知らないままでいい。





知りたくない。


知ってしまったら。





きっと。


戻れなくなる。




愛は麻薬なんだ。


それでもキミは俺を愛に溺れさせようとする。





やっぱりキミは。


━━━━━━━━━━小悪魔。


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