入口なんてあったのか ページ23
気儘に泳いでいると、シャボン玉に包まれた島を見つけた。
『入ってみようか、ミロカロス』
その言葉にミロカロスは頷くと、シャボン玉に突入する。
『あれ、二重構造になってるんだ。しっかりしてるね』
強い潮の流れがAたちを襲うが、ミロカロスはビクともしない。彼女は優雅に泳いでみせた。
そうして辿り着いたのは…
『うわぁ…。人面魚がいっぱいいる…』
《ふぉぉん》
魚人の島であった。
「海賊さん？ようこそ魚人島へ！」
「あら、船じゃなくて綺麗な海獣に乗ってるのね」
入り江にいた人魚たちが、Aのもとに集まる。歓迎されているようだ。
少し前までは、人間を恐れ、忌み嫌い、敬遠していた魚人たちだが、ある海賊に救われてからはその考えを改めたのだ。
今では島を訪れた人間に普通に接している。
『わー、皆さん美人さんですね。これじゃあ男の人が放っておかないでしょう？』
「うふふ！嬉しいこと言ってくれるのね！でも残念ながらいい出会いがないのよー」
『え、その男たち見る目がないんですね。それか無能なんですよ』
「あはは！貴女面白い！」
Aも例に漏れず、人魚たちと楽しく会話している。
《ふぉぉぉん！》
「ん？…ああ、みずタイプだもんね。この島気に入ったか』
《ふぉぉんッ！》
ミロカロスは水辺でバチャバチャと水遊びをしている。最近海でしか泳いでなかったからか、島の中で泳ぐのが新鮮なようだった。珍しくテンションが高い。
『はははっ、じゃあ今日ここに泊まっていこうか。たまにはいいよね』
《！、ふぉぉん！》
Aのその言葉を聞いて、嬉しそうに擦り寄るミロカロス。Aの彼女の頭を撫でた。
それを微笑ましそうに見ていた人魚たちが、何かに気づいたかのようにある一点を見つめる。
「あれ…、王族のゴンドラじゃない？」
「本当、しかもフカボシ様が乗ってるわ！」
キャイキャイと騒ぐ人魚たち。そしてゴンドラがどんどん近付き、そして止まった。
「娘たち。遊戯中に悪いのですが、一つお聞きしたい事が」
「な、なんでしょう」
「海獣に乗った人間を見ませんでしたか？不法入国者なのです」
『え』
他人事のように王子の話を聞いていたAだったが、完全に自分の事だと気付き唖然とする。いつの間に不法進入してたんだ私。
『あー…、それ私の事ですね。すいません』
「！？、貴女、魔獣使いの…！」
Aの姿を見て目を丸くするフカボシ。Aは気まずくなって笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 457人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るる - ↓↓↓それな (8月11日 23時) (
レス) @page49 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
悪魔ってよく言われる - 絵めっちゃくちゃうまいじゃいすか!!!!!!超好みです。完結おめでとうございます！ (2022年8月21日 10時) (レス) @page50 id: 7b98f51063 (このIDを非表示/違反報告)
弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - イラストも素敵で感動しました！ (2021年4月13日 3時) (レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - 最高かよ！占いツクールのポケモンネタで1番良かったと思います！素敵な作品を生み出して下さりありがとうございます！！ (2021年4月13日 3時) (レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
〇子さん - なんだろう...私が見た占ツクのワンピネタの中で一番良かった。終わったときｿﾞﾜﾜｧｯって鳥肌立ちましたもん。番外編とかで続きが欲しいです。素敵な作品をどうもありがとうございました。今日から三日間くらいは楽しく過ごせそうです(笑) (2018年3月28日 18時) (レス) id: ae6d32412e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白兎 | 作成日時：2015年12月26日 15時
