検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:825 hit

彼のヒミツ ページ8

隣に座る彼がポツポツと話し始める。
「...俺は...吸血鬼の貴族だったんだ
でも...この中で眠る前、
貴族の掟を破ったんだ」
「......罪...?」
「そう」
「だから...眠ってたの...?」
「うん」
「その罪...って?」
「俺...婚約者がいたんだ
なのに...他の人の血を吸ったんだ」
「それって罪になるの?」
「人間で言うと...不倫...になるのかな?」
「吸血鬼が血を吸う行為は
ひとつの愛情表現なんだ
だから身内同士で血を吸うと
人間で言う身内同士の恋愛になるからダメ
吸血鬼の婚約はその人以外の血は吸いません
っていう契約なんだ」
「...うん」
「俺はその契約に背いた
人間だって契約に背けば罰が降りるでしょ?
それと一緒だよ」
「......理由...なにか...あったの?」
気になって聞いただけなのに
びっくりしたように目を一層丸くする。
「...聞いてくれるの?」
「...知りたいな」
そう言うと柔らかく笑ってまた話し始めた。
「貴族にはその家系ごとに力があるんだ
いろんな力があるんだけど俺の家系は病気や傷を癒す力を持ってた
その力は吸血で発揮されるんだ」
「...うん」
「俺...幼なじみがいたんだ格差はあるけど」
「貴族...と平民...みたいな?」
「そうそう」
「その幼馴染が火事で全身に火傷を負ったんだ
一命は取り留めたけど彼女の体は見てられないくらい酷かった
「だから...その傷を治そうとしたの?」」
そう聞くと小さく頷く。
「りょーた」
「...?」
「それは罪じゃない」
「でも...
「りょーたはいいことをしたんだよ」」
「...そう、なの?」
「そうなの。だから自信持てばいいの」
「...」
「りょーたにとってはその人が大切だったから
治してあげたいって思ったんじゃないかな」
「...っ大好きだったんだ」
そう言って涙をこぼし始めた。
「...貴族と平民の恋なんて許されない
だから...それで彼女は離れていった」
「...」
「彼女の傷...治ったんだ...綺麗に
彼女は何回もありがとうって言ってくれて
いつも通りに笑ってくれた
...なのに家に帰ったら
みんなの目は冷たかった」
「りょーた...」
「......っ」
「...辛かったね、りょーた」
「...っ」
「りょーたは優しい吸血鬼さんだね」
そう言って抱き締める
「ありがとう 心桜」

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:片寄涼太 , 恋愛 , 吸血鬼   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らずふれ | 作者ホームページ:http://l.u.z_girls  
作成日時:2018年10月17日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。