【ハイキュー】私は全てキミ次第【菅原孝支】

〜28〜意気地なし　菅原side ページ29

菅原side



『どうしてそこまで、私に

　優しくするの？』






　幼なじみの突然の質問に


　俺はあいつの納得する答えを


　言えたのだろうか


　その答えは、否だ


　言えてなかった






　俺はちゃんと素直に答えた


　「大切」だって


　Aは俺の中で一番長く


　近くにいる大切な存在


　でも、その答えにAは






『感情の分け方がなってないよ』






　俺にそう言った


　その言葉の意味は俺には


　わからなかった






　感情の分け方がなってないって


　どういうことだ？


　わからないまま、Aに


　視線を移すと







　Aは悲しそうだった


　今にもこぼれ落ちそうな涙に


　目を奪われた






　自然と繋いだ手が震える


　Aの冷たい手から伝わる


　温度が、今は心底冷たかった






　どんなことがあっても


　Aはあの時から


　泣かなかったし、笑わなかった






　今、明確にその理由を


　知りたくなった






　でも、今の俺に


　それを訊ける勇気はない






　やっぱり、俺は意気地なし


　今もあの時も


　

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