【ハイキュー】私は全てキミ次第【菅原孝支】

〜17〜ごめんなさい ページ18

Aside



『ん・・・』






　あれ？ここどこだっけ・・・


　なんか、違和感がある


　重たい瞼を開けて周りを確認すると






『・・・誰』


月「まずはどいて」






　目の前には知ってるような顔


　ていうか、なんか近い


　しかも私の身体に何か・・・






月「キミ、重いんだけど」


『あっ、すみません』






　ああ、今気づいた


　彼に支えられてたんだ


　何でか知らないけど






『えっと、なんかすみません』


月「別に・・・」


『あっ、時間』






　図書館の時計を見ると


　もう一時間目が


　始まっている時間だった


　あっ、遅刻した


　それは、この彼も同じか


　えっと、誰だっけ？






月「行くよ」


『えっ』






　いきなり、そう言うと


　彼は私の腕を引っ張って走り出した


　うわぁ、背高い


　そんなことを思いながら走ると


　もう教室についていた






月「すみません、図書館の

　 片付けをしていました」


『あっ、同じく』






　彼は先生に上手い言い訳をして


　私も同じことにしといた


　先生も理由を聞いて


　許してくれたので助かった






　彼はすぐに自分の席へ座った


　前の席の人だと今気づいた


　私も席につくと


　今まで引かれていた手が


　離されていたことに気づいた


　今日は気づくのが遅い






　えっと、一時間目は数学・・・


　引き出しの中から


　教科書などを探すと


　私はあることに気づいた






　私、泣いてる・・・？


　不意に開いている窓から


　吹いてきた風に頬を撫でられた


　その時、何故か冷たく感じた


　慌てて、頬を触ると






『泣いてる・・・』






　誰にも聞こえないような


　息のような小さな声で


　ﾎﾟﾂﾘと呟いた






　なんで、泣くの


　いい加減、慣れなきゃ






　きつく握り締める拳が


　痛かった






　目の前にいる彼は


　この涙を見たのだろうか


　もし見ていたのなら






『ごめんなさい』






　笑わない、つまらない


　そんな“人形”に


　泣く資格なんてない


　

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