なにかと推しに避けられるんだが 【二】

四十九 ページ6

「い、行こうか」

「そうだな」


あの夜から、なぜか煉獄さんとの距離が遠くなった気がする。勿論、言葉などは返してくれるのだが、前より話さなくなってしまった。

え？私嫌われるようなことしたっけ？

悶々と一人で考えるが、一緒にご飯を食べたことくらいしか浮かばなかった。
それとは考えにくい。

何もしていない、と言うのが本音である。
無意識に何かしてしまったのかもしれない、と考えて、一日を思い返してみても、何もない。

どうあがいても思い浮かばないので、考えることを放棄した。

嫌われたなら好かれるまで！


「煉獄くんって＿＿」


そこから話かけまくったけど、生返事でした。

す、好かれるまで！！



・・・



話し掛け、もう全力を尽くしたつもりだった。
だが、逆に少し引かれた気がする。

成果は特に無く、逆にマイナスになってしまった気がする。いや、なってしまったのである。確実にな！！！

気分が下がる。

今日は昔に戻った気分で、夜に木刀を振ってみようか？
もう、煉獄さんとは会えないかもしれないが、嫌われたならもう...なぁ？

避けられてるからな、話しかけまくったせいで！！


「ふっ、は......」


月明かりの綺麗な夜、その景色に合わないような木刀を振って、汗を流した。

......拗ねたわけじゃないし。

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