なにかと推しに避けられるんだが 【二】

八十七 ページ48

「強かった...俺も、あれくらい」

「ヤバいめっちゃめちゃ良い子だね」

「...？って、貴女は？」

「さっきの宍色の髪の少年の姉弟子。君の姉弟子でもあるよ」


そういうと、目をぱちくりとさせて、私の顔をまじまじと見つめてきた。

女なのに鬼滅隊に入っていることに吃驚しているのだろうか？

一応君よりは強いよ

ジト目でそう告げると、驚きの声をあげて人間じゃないものを見るような目で見つめてきた。

心が読めるわけでもないよ、そう言おうとしたけど、また驚かれるだけだからその言葉を飲み込んだ。

それにしても、可愛い。

まん丸な瞳、素直な性格＿＿と、どれをとっても可愛い。
これが嫁になったらどれだけ目が幸せになることか。


「私は明日までしか居られないけど、真菰が居るから。その間に何回か来るから。頑張って強くなろう

ね？」

「はいっ！」


主人公って、こんなに可愛かったっけ？

もしかして性別が可笑しいんじゃないか、と考えたことはあったが、私と同じくらいの身長で言うのをやめた。
くっそ......けど、私の方がまだ高いし。


「(この人は本当に俺より強いのだろうか)」


いつもヘラヘラしているから、そう炭治郎に思われていた。
炭治郎は純粋だから(これを考えたら心が読まれたと時に大変だ！)って思って、今度から思わなくなる。

読めないよ、心。

彼の表情がわかりやすいだけだよ。

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