なにかと推しに避けられるんだが 【二】

番外編　凪 ページ47

「俺は、水柱になって良い人間じゃない」

「...え、強いよね？」


義勇が、相談というから何だと思ったら、原作と同じような悩みを抱えていた。

錆兎が生きているからそんなことを思うことなんてない、という偏見だったのかもしれない。
現に今、彼は悩んでいる。

彼に理由を聞くと、前に手合わせしたときに一勝しか出来なかったらしく、思い返すと柱になったときも錆兎の力がほとんどだったらしい。

生きている人も全然助けられていない、と悲しむ義勇。
これはこのままだとヤバい。

彼はネガティブな性格だから、このままだとそのことばかり考えて鬼に喰われてしまうかもしれない。


「じゃあ、その分努力をしないといけないよ。錆兎も、努力をして強さを手に入れたから」

「俺だって、しているつもりだ」

「分かってるよ。義勇も充分頑張ってる。けどね、錆兎はそれ以上に努力してる。

ってか、義勇は強いしそのままでよくね？」


そう付け足したのだが、彼の顔は晴れない。

それどころか、もっと暗くなっていってしまって、錆兎を褒めたらいけなかったかな...と、不安が募る。


「んー、じゃああれは？錆兎より強くなる...または、錆兎に出来ないことをする？」

「......？」

「錆兎以上に強くなるかー、錆兎に出来ないことをするー！」

「出来ない、こと？」

「そー、例えば......あれね、自分にしか出来ないことか、オリジナルを作るってこと」







(あの後Aに見て貰って凪覚えました)

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