なにかと推しに避けられるんだが 【二】

四十八 ページ5

「美味い！美味い！」

「あー、このときは話聞かないんだっけ」


原作通りのようで、この声は煉獄さんの「美味い」と言う声でかき消されてしまった。

食べ盛りの時期とは言え、よく食べるのだ。藤の家の人の表情は読めないが、(凄え食べるじゃねえか)くらいには思ってそう。私だったら思ってる。

私は食べ終わって食器ももう無いが、煉獄さんはまだまだこの勢いは止まらなそうだった。

終わったのは、その五分後くらい。

短いと思う？時間的には短いけど、食べるスピードが早く、何皿も何皿も皿が重なっていた。

私だったら吐くくらいの量だが、彼は普通のようで、いつもの顔に戻っていた。
怖いよ、あんなに食べて真顔って...

甘露寺さんはもっと食べるのだろうか、そう考えると震える。会いたくてじゃないけどさ。いや、会いたいけども。


「カァ！！次モ合同！」

「あら、また同じらしいね」

「...そうか」

「なんでテンション下がったの？？？」

「...下がってないぞ！」


明らかに下がったテンションに疑問を覚えながらも、私の部屋に戻る。

え？なんで一緒に食べたか？食べたかったんだよ一緒に！！！！




「(俺はあの人の事が嫌いだな)」


また嫌われました。

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