なにかと推しに避けられるんだが 【二】

五十六 ページ14

「今日は見張りかぁ......」

「カァ！！気ヲ抜クナ！！」


村の見張り。こういうのは、毎回特に何もないのが落ちなのだ。
つまらない、それに尽きる。

そういうときに、推しの妄想をしていくのだ。

今何やってるんだろうな、あの三人。鱗滝さん、今一人だから寂しくないかな、とか。
けど、鱗滝さんって、今気になってる人いるんだっけ？

あー、鬼に会って目覚ましたい。

そう思った刹那、どこかから爆発音が聞こえてきた。すぐさまそこに向かう。
私はフラグ建築士なのかもしれない。

そこには、眼に下弦の参と刻まれている鬼が居た。けれど、原作では見たことのない鬼だ。

そう言えば、下弦は入れ替わりが激しかったんだっけか？


「鬼狩りかァ。下弦の俺には勝てないだろうがなぁ！」


そう言って、血鬼術を発動させてきた。

相手はカードを使う血鬼術らしく、原作でいうところの、蹴鞠を使うあの鬼と同じだ。
だが、そのカードの絵柄から何かが出てくるのが厄介だった。

出てきてはすぐに頸を斬るが、次から次へとカードから出てくる。


「(このカードから出てくるものを斬っても意味ないな。...近づけない。カードを斬ってみるか)」


カードの中から、何かがでてくる前に切り刻む。
その数秒後、新しいカードが出てきた。

出すのにも時間が必要というわけだ。

その数秒の間に相手の懐に入り込むしか方法が思いつかない。
そうするしかないのだ。

次のカードが出てくるのを見計らって、すぐに＿＿

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