なにかと推しに避けられるんだが

四十四 ページ48

「今暇？錆兎と義勇がAさんのこと取っちゃうんだもん......」

「あっはは...あー、じゃあ...鬼殺隊のお話ししてあげる！」


鍛錬が終わり、明日になれば帰ってしまうと言うのに全然話せなくて辛かったのだろう。
私にめっちゃくっついてくるの。

真菰ちゃんは鬼殺隊に入るのを楽しみにしてるから、こういう話をしてあげると、機嫌をなおしてくれる。

呼吸を使った話、協力して鬼を倒した話、藤襲山であの年号お...手鬼を倒した話。


「そっかぁ...あ、好きな人とかは出来たの？」

「ん”ん”......(強いていうなら宇髄さんくらいか？イケメンだし)」

「いるんですか」

「なんで入ってきたのかな......？？んー、いない？かなー...まぁ、いつか縁談も入ってくるよ」

「えっ」


すかさず錆兎君が話の間に入ってくる。

縁談もいつか入ってくるだろうし、嫁ぐことはある、ということを真菰ちゃんに向けて言ったつもりなのに義勇君が反応した。

そうやって、ぎゃあぎゃあ騒いでいると、昔の気分になった。
のに、鴉が手紙を持って私の元に来た。


「えっ何々？...あっ、宇髄さんか」

「誰ですか」

「こ、怖いって......ﾌﾞｯ」

「ねぇねぇ、見せて？」

「駄目です。駄目です...」


宇髄さんから来た手紙だったのだが、やっぱり“嫁に”ということが書いてあるから真菰ちゃんには見せれない。

そそそ、とその場を離れようとすると、錆兎君にその手紙を奪われる。


「んぎゃっ」

「＿＿えっ！！？？」

「錆兎君返して！？」

「きゃー！！」

「......嫁に、行くの？」

「義勇君ーー！！ちょ、返＿＿」

「うるさいぞ。...見せろ」

「ちょ、鱗滝さんっ！」


全員に見られました。

だから、宇髄さんにめっちゃ愚痴かいて出したら、「どうせ嫁になるんだから良いだろ」と書いてあって怒りました。

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