なにかと推しに避けられるんだが

三十七　※階級変更 ページ41

「行きますよ」

「ほいほい、どこだ？」

「西で人がいなくなってるらしいです、行きますよ」


宇髄さんを置いて、烏の行く方向に向かって歩みを進めていく。
あの後、すぐに鱗滝さんの返事が来たのだが、「そいつを殴れ」という文字だけだったので、任務と関係ない手紙を送るなということなのかもしれない。

辛の私が、結構階級が高い？のか？...宇髄さんと合同というのも緊張するが、深呼吸をすると落ち着いた。


「あれ、お前ってまだ常中やってねぇの？」

「最近入ったばかりですので」

「ほー...教えてやろうか？」

「本当ですか！？是非...」

「この任務終わったらな」


意外と優しいところもあるのかもしれない。

いや、お嫁さんには優しかったし、女性には全員優しくしているのかもしれない。

嫁→堅気の人間→俺

だったし。


「惚れたか？」


前言撤回。



・・・



「早く終わりましたね」

「そりゃ、俺様がいるからな！」

「あっはい。じゃあ、まだ時間あるんで常中教えて下さい」

「落ち着けよ、とりあえず全集中の呼吸をずっとやることを心がけろ」


そう言われ、呼吸だけをしてみる。が、すぐに途切れてしまい、毎回はできなかった。
その姿を見られ、笑われた。


「今日はとりあえず見てやるよ、どうせ今日も藤の家に泊まるだろ？」


そう言われ、その夜は起こされまくりだった。
途切れてたと自覚しているのに、バシッとすぐに頭を叩かれる。

けど、少しの間は続くようになった。


「これを俺がいなくなっても続けろよ」

「うっす......」


不安げな私をみて、宇髄さんはまた笑った。

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