なにかと推しに避けられるんだが

三十三 ページ36

「カァ、カァ！！此処！此処！聞キ込ミスベキ！」

「ほぅ...聞き込み！探偵みたいね、楽しみやで！」


(エセ)関西弁が出たところで、烏はぱたぱたと空高く飛んでいってしまい、私一人のなってしまった。少し、寂しい。

だが、きちんとこの状態に慣れないといけない。

パンッと自分の頬を叩き、気合を入れ直して話している二人の女性に聞き込みを始めた。

ここの町で、子供が瞬く間に消えていってしまうらしく、それも夜にと言うことらしく、鬼の仕業...かもしれない。と言うことだった。


「あの、子供が減ることについて聞きたいんですが＿＿」



・・・



「大事なのは...夜にここら辺に来た子供ってところかな？」


いろんな人から聞き出したところ、人気の少ないこの場所からよく攫われていくらしい。
幼子から、十四くらいの子供が好きな鬼らしく、それ以上の人は攫わないらしい。

だから、私も対象内であり、油断大敵ということで、気を緩めるとすぐにあの世逝きかもしれない。

わざと足音を立てて見るも、気配はない。

今は攫われる時間帯であり、刀も鬼から見えない場所に隠しているから絶好の的の筈だが。

＿＿来る。

なぜか、感じた。

目の前に来た攻撃をすぐさまに避け、すぐに攻撃態勢に整えた。


「水の呼吸 壱の型 水面斬り！」


勿論、その攻撃はさらりと軽々と避けられ、次々と攻撃が繰り出された。
右に来て、左にスレスレに......今までなかった、強く速い攻撃。

一つ間違えると、死んでしまうんじゃないか。

そう思わずにはいられなかった。

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