なにかと推しに避けられるんだが

十 ページ12

「素振り、あと三百回」

「はは、鱗滝さんは相変わらず厳しいなぁ」

「さ、三百回...？嘘！？」

「...頑張ろう、義勇」

「頑張れ！＿＿あ、鱗滝さん！水車見て下さい〜！」


二人は、なんのことだ？と、こちらに視線を向けた。分かった私は、集中！と言った。
素振りに集中という意味。見られると恥ずかしくない？

すると、「いち！」と声をあげるのが聞こえ、それに釣られた義勇君も続いて、「い、いち！」と声を張った。


「＿＿水の呼吸 弐の型 水車！」


そう言うと、目の前の木が、真っ二つに割れ、後ろにバタンと音を立てた。
あの、数字を数える声は聞こえてこなかった。

そちらを見やると、二人と目が合った。


「あっ＿＿ろく！なな！」

「え、えと...ご！ろく！」


見てたな、確実に。

そう思いながらも、あの鬼を倒すための訓練を続けた。


「...もう、良いか」

「え？」

「着いてこい」

「もう落ちたくありませんよ」

「落とさない」


愚痴愚痴いっていると、私が着いたのは自分の身長よりかは少し大きいくらいの岩があった。
けど、炭治朗が切った奴よりかは少し小さいような気がする。


「この岩を切れ。あと一ヶ月後に、試験がある。その間に切れるか」

「ええ、切ってやりますよ！」

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