なにかと推しに避けられるんだが

四 ページ6

「どぉう”！？何？殺すつもり！！！？」


歩く度ナイフが私の横スレスレに飛んでくる。何とか危機一髪で避けられるが、自分の顔に刺さると思うと、怖すぎる。よく炭治郎避けられたな？え？

これだけではない。

転んだと思って、ちょい前を見るわけ。そしたらさ、落とし穴があるわけ。
好奇心で、少しだけ中見てみたわけ。

ナイフ＜やぁ 私＜(゜Д゜)

だから。

てか、私が転んだのも意図的にだからな！？鱗滝さんが怖いと初めて思った。

それに、息がほとんど吸えない。

吸おうと思っても、過呼吸になったようにひゅ、となるだけ。意識しないと、息の吸い方を忘れる。つっら...


「ひっ！！！」


あと何分もこのナイフと過ごさないといけないと思うと、とても正気ではいられない。



・・・



「た、だいま...帰りました...」


私がこの言葉を言うのにどれだけ時間がかかったことだろう。

あの森を抜けると、陽はもう見えず、見えたのは、私のズタボロな姿に合わない、美しい月と、輝く星だった。

ボロボロになった服、少し傷が付いた肌...痛い。

だが、ここまで時間がかかったからか、この達成感はとてもある。


「よくやった。水の呼吸を教える」


軽く頭を撫でられ、親のような安心感を覚える。だから、あんなに殺されかけたことをされても憎めない。
死にそうだったけどな！！！

寝そうだ。
疲労と安心感でどうしても眠気に誘われる。


「寝て良いですか......」

「風呂に入れ」

「ぬ”...はぁい」

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