なにかと推しに避けられるんだが

二十二 ページ24

「多ぃいぃいいい”！！」


山の中に入ってすぐに、鬼がわっさわっさと私を目がけてくるのだ。

稀血という訳ではないというのに、どうしてこうも私を...と思ったが、私以上に鬼に襲われている人が居たから、この言葉は伏せておいた。

私にあの狐のお面があったから、とか思ったけど関係無さそうだ。いや、アイツは関係あるか。

食料を事前にちょい配られたが、もう食べたい気分である。
もう胃が痛い。死にそう。

推しも今回居ないわけ、例えば煉獄さんとかいたら百人力なの！！

けど、いない。

ぼっちってわけですよコノヤロウ！！！！

この怒りを鬼にぶつけ、気が狂ったように鬼をばったばったと斬り倒していった。



・・・



「あと一日...頑張った私、あと一日...」


まだまだ元気と言いたげな鬼をぶっ倒し、この言葉で私を元気付けた。

一日と言っても、この夜を乗り越えたら終わりなので、あと半日と言ったところだろうか。
ちなみに、今は陽が沈んだ頃である。

あの元号鬼居ないんだけど。鱗滝さんの弟子全員殺すんじゃなかったんですかぁ？(煽り)

...まぁ、良いのだ。

そんなことより、随分と人が減っている。
余裕、と威張っていた少年も、三日目辺りから見なくなった。

強そうだった少女も、誰かを庇っていた。
その後から見てないから、多分庇って死んだのだろう。

というか、十三の娘をこの地獄の中に入れるとは、あれか？可愛い子には旅をさせる的な？

え？十三って誰だって？

私だよ！！！！！！(今更)

だから、今錆兎君達は十二歳である。

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