6、リーダー決め ページ8
カナヲside
北野さんを迎えた後、一限目が始まった。
「それでは、文化祭のリーダー決めを始めます。学級委員長の林くん、副委員長の椎野さん、お願いしますね。」
二人が前に立つと、先生は教壇から離れ、先生の席に座った。
「それでは、リーダー決めを始めます。立候補する人はいますか。」
林くんが皆に問いかけ、椎野さんは黒板にメモをしている。
でも、誰もリーダーに立候補しようとしなかった。
「えーっと···」
林くん、困りきってる。
どうしよう、このままじゃ進まない。
すると、椎野さんが名案を思いついた。
「それでは、いいと思う人を推薦して下さい。」
すると、ズラッと手が挙がった。
うわぁ、さっきとの差がすごい···
「私は、神崎さんがいいと思います!」
指名されたアオイは、
「ええっ?!私っ?」
と驚いている。
すると、アオイを推薦した子はアオイの方を見て、「うん。」と言った。
「このリアル脱出ゲームを考えたのは神崎さんだし、神崎さんはリーダーシップがあるから、いいと思います!」
確かに、アオイはしっかり者でちゃんとしてるから、リーダーとしてはピッタリの人材だね。
「じゃあ、神崎さんでいいですか?」
林くんが聞くと、アオイは
「私は、栗花落さんを推薦します。だって、リアル脱出ゲームを考えたのは私じゃなくて、栗花落さんですもの。本当は、栗花落さんが私に教えてくれたんです。でも、言わなかった栗花落さんの代わりに私が言ったので、せめて副リーダーにしてくれませんか。そうしたら、私はリーダーになります。」
わわっ!
アオイ、本当の事を言ったらダメだよ!
私が目立っちゃうじゃん、目立つの嫌いなのに。
「なら、いいんじゃないですか。私は、考えた人が一番わかってると思うので、神崎さんの意見に賛成です。」
すると、皆が賛成してくれた。
えぇ…私、副リーダーなんて、自信ないよぉ…
「それでは、リーダーと副リーダー、両方決まったので、リーダー決めを終わります。」
それから林くんは、チラッと時計を見上げて、
「まだ、時間ありますね…では、次回やろうと思っていた出し物を詳しく決めたいと思います。神崎さん、栗花落さん、こちらに来て、話し合いを進めてください。」
と言った。
待って、私も前に出るの?!
「カナヲ、行くよ?」
はっ、はいぃ!
私はビクビクしながら前に出た。
「それでは、まず、私達の考えたリアル脱出ゲームについて話します…」
アオイ、流石だなぁ。どんどん話し合いを進めていく。
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作者名:練乳いちご | 作成日時:2021年8月21日 15時