検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:36,018 hit

4 . * ページ4








『ほら早く帰ろ?帰って勉強教えて、』


「違うんだ」


『おわ、っ!』







掴まれた右腕は、思いっきり引っ張られて

そのまま優しく体が包み込まれた。








「もっと早く、Aにこれを伝えていたら……Aは、善逸を好きにならず、こんな苦しい思いもしなかったかもしれない」


『……へ、え?たんじろ、?』


「善逸を想うAの邪魔はしたくなくて、言えなかった。でも……それが、ダメだったんだね、きっと」







理解できない言葉が、ずらりと並んでいく。

もう一度、ゆっくり、"炭治郎?"と呼んでみると



炭治郎はゆっくりと息をして、"今から言うこと全部、本気だから受け取ってほしい"と真っ直ぐな瞳で私を捉えた。







「Aが好きだ」







ドキって心臓が大きく跳ねて、さっきまで合わせていた視線が急に恥ずかしくなる。


行き場のない目線は、きっと赤くなってるであろう顔を隠すように炭治郎の体に埋まる。







『急に、なに、』







嘘やめてよ。

そう言おうとした口は、さっきの炭治郎の言葉を思い出して抑え込む。



嘘じゃない、本気だ。

炭治郎は馬鹿正直だから、嘘なんてつけない。



それに、さっきは……本気だから受けとってほしいと、言っていた。







「驚かせて、ごめん」


『謝らなくていいって』







逆に謝りたいのは私だ。

炭治郎の気持ちを、わかってあげられなかった。



私は炭治郎みたいに鼻が効く人じゃない。

だからほんの些細な変化でしか気づけない。




でも炭治郎は……優しすぎるから、変化も、何も、なかったんだ。私に悟られないように。







『返事は、っ』


「今しなくていいよ」


『……たん、じろ、』


「善逸のこと、そんなあっさり諦めきれないでしょ?」







"俺は何日でも、何年でも、待つよ"

ああ、どこまで優しいんだろう。炭治郎は。

5 . *→←3 . *



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 面白かったです!  (2020年2月1日 22時) (レス) id: b575dccd32 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 超苦しい!なんかやっぱりきゅうってする!…炭治郎ぅう!私は好きだゾォォオ!! (2019年12月23日 1時) (レス) id: bbe87bcae1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふわふわべあー。 | 作成日時:2019年12月7日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。