其ノ参 ページ3
『死ぬかと思った…』
もう小熊が追ってきてないことを確認して、両手を膝について、息を整えた。
だぁぁ!もうどうしよってんだよ!なんでこんな目にあわなきゃいけんのや。
明日は友だちと花見しようって約束してたからすっごく楽しみにしてたのに。どうしてこうなっちゃうかなぁ。
文句ばっかり言ってても仕方ないし、とりあえず街を探そう。ってか、まじで真夜中の森怖いんだけど。幽霊でそうだわ。ほんとむりだわ。
『火でもおこすか。』
さっきから寒くて死にそうなんだよね。しかも、火を起こしたら動物も近づいてこないやろうし?一石二鳥!
スマホが通常通りに使えることが分かったので、ネットで焚き火の仕方を調べてそれとなくやってみた。
……が、できんかったわ。あれこんなムズいん?いやあのね、木と石はすんごい熱いんだけどさ、どれだけ頑張っても火はおこせんわ。
かといって、ここで野宿をしたくないので人を探すことにした。
『おーーい!だーれかーー!!』
大声を出し続けて早一時間。当たり前だけど、誰もいなかったわ。なんだか、哀しくなってきて涙がでてきた。
『どうすればいいんよ…誰か助けてよ』
「そんなに助けて欲しいなら、俺が救ってやるよ」
ギッヒヒヒ…と気持ち悪い笑い方がきこえてきて、振り返ると全身が固まった。
化け物だ……いや、鬼滅の刃の世界だからこれは、鬼か。
『キャーーー!むりー!むりー!』
お化け屋敷に入ったみたいにぎゃあぎゃあと悲鳴をあげながら、さっきの小熊に追いかけられたとき以上に死に物狂いで走った。
「まーてよ〜!久しぶりのめしだぜ!しかも稀血…!これで俺も十二鬼月になれるぜ!」
え、まって。鬼さん走るのめっちゃ早くない?化け物なの?…いや化け物だったわ。
さっきから何回も鬼の爪が背中に当たっててすげー痛いんだな。でも、逃げないと…食われるの嫌だし。
「捕まえたぜ…!鈍間め!」
呆気なく捕まえられた。えーほんとむり。私こんな死に方するなんて思ったことなかったよ。
『………?』
諦めて目をギュッと瞑ったけど、一向に喰われる気配がしないので、おそるおそる目を開けるとヒッと悲鳴がでた。だって、鬼の首から上が切り離されてんだもん。ホラーだよ。
「間一髪間に合ってよかったわ。お前運がいいな。」
この声は…!
凄い勢いで振り向くと、そこには推しその一である宇髄天元…さん?さま?
がいた。
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りん(プロフ) - (゜ロ゜)はーい(* ゚∀゚) (2020年4月9日 19時) (レス) id: f011f41edf (このIDを非表示/違反報告)
コロン(プロフ) - りんさん» あらら…それは微笑ましいですね笑 まあこの後の展開に楽しみにしていてください*_ _)ペコリ (2020年4月9日 2時) (レス) id: 707515b197 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - なるほど……読みながらえーと!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!してましたそしたら姉にうるさいて言われ(´;ω;`) (2020年4月9日 1時) (レス) id: f011f41edf (このIDを非表示/違反報告)
コロン(プロフ) - りんさん» そう言っていただけて嬉しいです!ギャグも交わしたいと思っているんですが、どうしても主人公を可哀想な方へ引っ張って書いちゃうんです…笑 (2020年4月9日 1時) (レス) id: 707515b197 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続きが楽しみにしてます( ^▽^)なんか主人公が可哀想に見える……(´;ω;`) (2020年4月9日 1時) (レス) id: f011f41edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:受験生のりな | 作成日時:2020年4月6日 20時