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喫茶店『Futur』から、1人の女性が出てきた。
とめどなく溢れる涙を拭いながら、早足で歩いている。
今すぐにでも家に帰りたいようだ。
しかし、女性のその願いは叶わなかった。
路地裏から2人の男性が現れ、行く手を阻んだからだ。
『…誰、ですか。』
女性は言う。
片方の男はニコリと笑い、もう片方の男は無表情だ。
ニコリと笑った男性は、やけになで肩。
無表情の男性は、茶髪で、見ようによっては女性に見える風貌をしていた。
男は女性に対し、言った。
「お姉さんも、災難やったなぁ？
大事な弟に忘れられて。」
『なっ、どうしてそれを…！』
「やって見とったもん。可愛そうやわ。」
「…でも、自業自得。」
茶髪の男が口を開いた。
その男は話しても尚、笑わない。
女性は男達に対し、不信感を抱いた。
『な、何よ。自業自得って、私は何も…！』
「したやん。お前、阿呆やなぁ。
あいつのこと、置いていったやろ？捨てたやろ？
それなのに、今更姉ヅラしてさ。
ほんま、反吐が出るわ。」
『私は捨ててない！ただ、お父さんに着いて行っただ
けよ…！』
女性は言い訳を絞り出すように話す。
男は鼻で笑った。
そして、女性を睨んだ。
「それが捨ててないことになるとでも？
あいつはな、お前らが置いていったから暴力を
振るわれた。何故、暴力を振るう母親の元に残した？
連れていくことくらい出来たやろ。
娘が頼めば、親はできる限りそうしようとするからな
ぁ。」
『あ、あなた達が、望を
しょう！？』
「…のんちゃんは自分の判断で、ああ言うた。
それだけ。」
女性は崩れ落ちた。
どうして…。
と、呟いている。
そんな女性を無表情で見下ろし、茶髪の男は淡々と言った。
「…失ったもんは、もう戻ってこおへん。
あの時、のんちゃんを連れていこうと父親に言わんか
った自分を恨むんやな。」
そう言い、2人の男は路地裏へ消えていった。
『…ごめん、なさい。ごめんなさい。
のんちゃん、許して…。』
女性は頭を抱え、その場に蹲った。
もう、女性に笑いかけてくれる者は、誰もいない。
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百瀬 花楓(プロフ) - コメントありがとうございます！そう言っていただけるなんて…嬉しい限りです！今後とも、よろしくお願い致します(*^^*) (2020年6月28日 8時) (
レス) id: 2a826d73c9 (このIDを非表示/違反報告)
のん - このお話ほんとに大好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年6月28日 0時) (レス) id: 4b0daf74e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百瀬 花楓 | 作成日時：2020年5月11日 18時
