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わたしは、彼の頭を撫でながら、静かに彼に語りかける。
諭すように、慰めるように。
自分に、言い聞かせるように。


潤んでしまった瞳を、これ以上刺激しないようにしながら。


A「こうなるって、わかっていたでしょう?
2人でいると決めた時に、いつかくるそのときは、悲しまないようにしようって、
決めた、じゃない。なのに…………なのに、どうして、そんな……
折角、言わない、ように………してた、のに………」








そういうこと、言っちゃうの








言葉は最後まで紡げなかった。
言いたかったことは、嗚咽の波に流された。

さっきまで、ほんの数十秒前までは静かだったこの部屋には、
今は2人分の哀しく狂おしい嗚咽が響いている。



わたしは、今まで誰かを愛したことなんてなかった。
こんなにも胸が苦しいものなんて、知らなかった。




そのまま、泣いて、泣いて。



泣き止んで。



互いの存在を確かめ合うように、ただ、強く抱き合って。口付けて。








その時が来た。




なんとなく、感覚でわかるもので。



あれだけ泣いたからか、不思議と、心は落ち着いていた。




ガウェイン「A、泣き顔を晒してしまい、申し訳ございませんでした。」



A「ううん、お互い様だよ。
わたしも、心の中で絶対に泣かないって決めてたのに泣いちゃったから。」




そしてまた、沈黙が流れて





A「ねぇ、ガウェイン。





最後に贈り物、受け取ってくれるかな…








ガウェイン「贈り物…ですか?」









A「うん。少し特別な、おまじない付きの贈り物。」





ガウェイン「もちろんです。」





ありがとう、と告げて
術式を展開する。



思いを込めて。愛を込めて。願いを、込めて。



わたしが作ったのは、二対のピアス。


色違いの、お揃い。



ガウェインが青色で、わたしがオレンジ色。



A「ちょっと大掛かりな魔術を使っちゃった。
これね、付けた人の霊基に焼きつくの。だから、座に持っていけちゃうんだ。
抑止の偉いところに、怒られそうだけど。」



よかったら、貰ってくれる?




返事の代わりに抱きしめられた。それから一言〔ありがとう〕と。


お互いに付け合うことになって、
お互いに似合ってるって言って、笑った。


もう、その時には2人とも下半身は金色の粒子に包まれていて。

抱き合って、目を閉じて。















いつかまた会える日を夢見て、わたし達は消滅した。

番外編あとがき→←番外編:いつかくるそのときの話,1



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アルっさん(プロフ) - フェニックスさん» 初コメありがとうございまぁぁす!うちのエミヤはママみが強いんですよ! (2018年11月19日 10時) (レス) id: e19e7f95da (このIDを非表示/違反報告)
フェニックス(プロフ) - エミヤ、オカン!!! (2018年11月17日 21時) (レス) id: 8e3aac7538 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルっさん | 作成日時:2018年9月21日 14時

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