陽光と硝子【FGO】【ガウェイン】 (ページ36)

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番外編:いつかくるそのときの話,1 ページ36

ガウェインと夢主付き合ってます。
立香にも相手がいます。

……………………………………………

全てが終わった。

人理定礎は全て復元され、空想も全て泡沫の夢の如く潰えた。

そして

わたし達もあるべきところに還る時が来た。

やるべきことを終えた記念のパーティの様なものもしたが、
リツカが途中でこの後のことを考えてしまったのか泣き出してしまい、
お開きになった。
今はあるサーヴァントと最後の逢瀬を交わしていると思われる。
他の皆も、やりたいこと、やらねばならないことをしている。

わたしは

太陽の騎士と、ガウェインと共にいる。

言葉は交わさない。

ただこの静けさが心地良い。それでいい。
彼の体温を感じてさえいられれば、それで。
今彼の声を聞いてしまったら、わたしはどうなるかわからない。

だから、今はまだ、この静寂を保ったままでいたかった。

、

なのに

、

ガウェイン「A」

彼はわたしの名を呼んだ。意図的に、故意にこの静寂を崩した。

わたしは平静を装って返事をする。

A「なに？ガウェイン。」

あぁ、駄目だ。少し声が震えた。

ガウェイン「A、貴女は、寂しくないのですか？
このまま別れるのが、私達にとって最善だと思いますか？」

A「なにが、言いたいの？」

本当は分かっているのに、はぐらかす。

ガウェイン「私は、私には、貴女といる時間が、余りにも短く思えてしまったのです。
本当は、叶うなら、もっと……ずっと…共、に……」

肩を合わせるように寄り添っていたけれど、
体勢を変えられた。
いま、わたしの胸には、彼の頭がある。

少し乱れた息と、少しずつ湿っていく布地の感触に

「あぁ、彼は、泣いているのか。わたしと、同じ気持ちなのか。」

と、静かに考える。

本当は、わたしの胸中は、荒れ狂う波のように落ち着かない。
だから、少しでも気を緩めてしまえば、
きっとわたしは泣きじゃくって、
離れたくないと彼に縋って、
子どものように喚いてしまうと思う。

だから、わたしは静かに、嗚咽を漏らす彼の頭を撫でる。

本来なら会わないはずの2人があってしまったから、こうなる。

本来ならあり得ないはずの思いが、こうして未練を生んでしまうのだ。