陽光と硝子【FGO】【ガウェイン】 (ページ39)

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第32話ページ39

周りなんて見えないし、何も聞こえない。

今わたしの目に映るのはジャンヌの一挙手一投足であり、
耳に入るのは互いの武器がぶつかり合う音と、自分の呼吸音のみだ。

自分の口角が不自然に上がっている感覚がある。

さぁ、次はどう出ようかな。

なんて考えていると、

ズドォォォォォォォン！！！！！

少し間を空けていたわたし達のあいだに何かが降ってきた。

集中が切れて、いつのまにか野次馬が大量にいたのが目に止まり、
まったく気づかなかったことにやや赤面した。

そして、

⁇「そろそろランチの時間だ。その辺りにしておきたまえ。」

遠くから不思議と良く通る声が聞こえた。

A、ジャンヌ「エミヤか。/さん！」

エミヤ「母さんみたいに聞こえるからやめたまえ。」

早く治療をしてもらうんだな。

と言ってエミヤは去っていった。

「そうだ、今日の日替わりランチはオムライスだったな。急ぎたまえよ？」

なんて言葉も置いていった。

すると野次馬達は凄まじい速さと形相でここを出ていった。

急な展開に少し呆然としていると、

ジャンヌ「何してるんですかAさん！オムライス無くなっちゃいますよ⁉」

と言われて手を引っ張られ、強制的にシュミレーションルームを出ることになった。

A「ジャンヌ。なんでそんなに急いでいるの？
別にランチがそれしかないわけでもないんでしょ？」

走りながら問う

ジャンヌ「いいえ！これは本当に由々しき事態なんです‼
1ヶ月のうちにオムライスは3回程しか出てきません！それにとても美味です！
そしてお代わり可能！このままではアルトリアさん達にすべて食べられてしまいます！」

A「そうなのか。……う～ん、わたしはいいかな。
今日はレイシフト前に休みたいし…オムライスって食べたことないし…。」

ジャンヌ「食べた事ないんですか⁉勿体ないです！尚更食べに行かなくては‼」

急ぎますよ‼と言って彼女は加速する。私の手を引いたまま。

敏捷の差を考えて欲しい。なんて場違いなことを考えながら、
わたしはジャンヌに引きずられていった。

手が痛い…。