├半生2 ページ29
これがまあ酷いもので、共に勉学に取り掛かろうものなら「絵の勉強(笑)」 と顔に落書きをされ、庭でかけっこをすれば最終的に「万が一家が没落したときのためにサバイバルしよう」となぜかその辺の草を食べさせられるハメになる。
しかもそれらのことで使用人達に泣きついても、いつの間にかフィーナの方が叱られるように仕向けられる。なぜか毎回フィーナだけが「お兄様を困らせてはいけませんよ」と説教され、その横で一枚上手を取る兄がニコニコいい笑顔を浮かべているのだ。
兄と居て、フィーナが『仲良し』という単語の定義を疑わない日は無かった。流石にコレが何年も続くとなると彼女も黙ってはいられない。
だがしかし、表立ってやり返せば必ず
圧倒的に不利な立場にある彼女は、兄の白い絵の具だけを勝手に持ち出したり、また身なりに気を遣っていた兄の愛用の櫛を油絵の筆洗油(※換気を要するほど臭いがきつい)に突っ込んだりして、地味にとても困る憂さ晴らしをこっそりとするだけに留まった。
最初はそれで間に合っていた。
◆
見えない憂さ晴らしで彼女が満足できなくなったのは、数年経って、自分と同じく注目されていなかった兄の才能が花開いてからだった。
いつのまにか「神童」と呼ばれるほどに、クライヴは芸術家として立派に成長していたのだ。
ほんの数年前まで、一緒に夢を語って、同じことをしてきたはず。それなのにどうして差が開いたのか。
……先天的なセンスの問題もあるだろうが、恐らくいちばんの理由が、三男クライヴの才能に目をつけた父親が彼だけに肩入れし、芸術の教育を施していたからだろう。もしかすると、クライヴが男子でフィーナが女子であったことも関係していたのかもしれない。
クライヴとフィーナが才能など気にすることもなく、自由きままにお互いの技能を比べっこしていた、その時からもう既に、フィーナの気がつかないようなところである種の英才教育が始まっていたらしい。
自分を散々いびった兄が……散々いびられてもなお「家では自分と同じ立場だから」「同じ夢を抱いてここまで来たから」「何だかんだ一緒にいてくれたから」と心のどこかで許していたかもしれない兄が、周囲からたくさん声をかけられている。
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す麩(プロフ) - ユネル(分身)さん» こんばんは、お声掛けありがとうございます！拙宅の飾で宜しければ是非お願いしたいと思います(*´-`) コメ欄だとチャットと勘違いされてしまうのがちょっと怖いので、ユネル様のボードにお邪魔してもよろしいでしょうか……？ (2020年3月20日 22時) (
レス) id: aab4694704 (このIDを非表示/違反報告)
ユネル(分身)(プロフ) - 喫茶十二夜館の魔術師達にてシェイドで参加させていただいてるユネルです！お宅のキャラと私のキャラで関係を組ませていただいても宜しいですか？ (2020年3月20日 22時) (レス) id: a9cbdd42b3 (このIDを非表示/違反報告)
す麩(プロフ) - 月見里きゆめさん» ご確認ありがとうございます、そう言って頂けて嬉しい限りです(*´-`) 主催様の素敵な企画と世界観を楽しみたいなあと思っておりますので、何卒よろしくお願いします！ (2020年3月18日 20時) (レス) id: aab4694704 (このIDを非表示/違反報告)
月見里きゆめ(プロフ) - 宵色ハーバリウム企画主のきゆめと申します。拝見いたしました。コメント欄の少ない字数ではうまく言い表せませんが、二人とも隅々まで考え込まれていて魅力的なキャラクターですね！ イラストも素敵です(*´`*) 問題なかったのでこのまま載せさせていただきます。 (2020年3月18日 18時) (レス) id: 0328e03b15 (このIDを非表示/違反報告)
すふ丸(プロフ) - まっきー。さん» ありがとうございます、是非お願いしたいと思います〜！まっきー。様のボードにお邪魔してもよろしいでしょうか？ (2018年6月7日 19時) (レス) id: 5ecb48edcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麩 x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月4日 7時
