８４話(gr side) ページ35
gr side
あの夜以降
毎日会うために早起きして
朝、Aを起こしに行っている
今朝も起こしに行った
薄暗い部屋のカーテンを開けてやり
ハッキリ見えるようになった
Aの顔を見つめる
艶やかな黒髪、長い睫毛
白い肌、赤い唇
どれも美しく、愛おしい
頬を撫でれば、少し顔を歪め
『ん……』と声を漏らす
…少しだけ
俺は、彼女の頬に軽くキスをした
柔らかい頬からは
ほんのり甘い香りがした
キスをした所を撫でていると
『ん……グルッペン…？』
閉じられていた瞼が開かれ
赤い瞳が俺を映した
gr「…おはよう」
優しく笑えているだろうか
普段から「笑い方が邪悪だ」
と言われているからあまり自身はない
ただ、Aの前だけは
笑えていたらいい、と思う
『…ん…おはよう…今日も来たのね』
伸びをしながら言う彼女
その行動一つ一つを
俺は目に焼き付けるように見つめていた
『……どうしたの？』
gr「…今日は徹夜明けなんや」
そう言いながら
彼女を抱きしめる
『……グルッペンの故郷はハグが挨拶なの？』
gr「…は？」
思わず呆気にとられ
Aの肩からガバッと顔を離した
『挨拶がハグの国もあるでしょう？オスマンもハグは挨拶らしいから…』
gr「え…オスマンとハグしたんか…？」
『え……なら２人とも…ただ単にハグしただけだったの…？』
……油断も隙もない
男女の距離が分からないのか
どうりで俺にも普通にハグする訳だ…
俺はもう一度、ぎゅっと抱き締める
『わっ…』
一瞬だけ、Aの顔が
赤らんでいたのが見えた
gr「挨拶なんかじゃないんやぞ？」
『……？』
少しは意識してくれ…(懇願)
まぁ…頬が赤くなっていたのは進歩な気がする
今も横目で見るとほんのり耳が赤かった
gr「ﾌｯ……ほら、準備するんやろ？」
彼女を離してやると
コクコクと頷いた
…顔は普段の顔に戻っている
もう少し見たかった…
『…あ、クッキー食べてくれた？』
gr「あぁ。美味かったぞ」
『良かった。それじゃあ…』
gr「今度はケーキでも作ってくれないか？」
『えぇ…！私もケーキは作りたいの』
gr「その時は俺もすぐ仕事を終わらせて手伝ってやるぞ」
『おまちしております…！』
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斬(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます…！今はこちらは温め中ですけども、更新再開はさせますので暫しお待ちを〜(*^^*) (2020年1月12日 17時) (
レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - コメント失礼します〜このシリーズも、他のシリーズも全て面白いです♪これからも頑張ってください(*＞∇＜)ﾉ (2020年1月12日 15時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
斬(プロフ) - ゆうりさん» 私もここまで続くと思ってませんでした…コメありがとうございます(*^^*) (2019年8月10日 21時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - こんなにたくさん書く気力が無い (2019年8月10日 20時) (レス) id: 82279f1e63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斬 x他1人 | 作成日時：2019年5月17日 21時
