７９話(gr side) ページ30
(gr side)
目の前で泣くAに
側にあったティッシュケースを渡す
gr「お前は、自分に足りないものがあることを知っているか？」
『……知らないわ』
ティッシュで涙を拭きながら答えた
gr「何だと思う？」
『……ごめんなさい…分からない…グルッペンは分かるの？私の足りないもの』
赤い瞳が俺を映す
暗闇で輝くその瞳は
涙目でキラキラしている
gr「俺は分かったぞ。経った今だ…」
『教えて…くれないわよね…』
gr「…それは自分で見つけるんだな……だが、協力はするぞ。このことは協力が必要不可欠だ」
『……そうなのね…分かった』
そこで会話はパタリと止まった
気付けば時刻は１１時半
そろそろ出ようと思い、席を立った
gr「もう出る。夜遅くまですまなかったな…」
そう告げ、扉を開けようとすると
後から名を呼ばれた
『グルッペン…私って…結局何なのかしら…ただ白雪姫と言う先祖に縋っている愚かな人間？』
gr「…俺は違うと思うぞ？この世でいう愚かな人間とは、周りを見下し、自己中心的であり、何より本当の生きる意味を知らない者だと俺は思うからな…」
『なら…私も愚かだわ…』
gr「Aは人を見下すようなことはしていないし、周りを考えているだろう？」
『そうかしら…それに生きる意味を知らないわ』
gr「……ならお前は、何故生きているんだ。考えてみろ。そして周りを見ることだな」
そう言い残し
俺は遂にAの部屋から出た
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
自室に戻り、ベッドへ潜った
そこで、でかい溜息が出る
Aに足りないもの
それがやっと分かった
…話が変わるが
俺はAと出会った時
最初に見た時から、その瞬間から
あいつの事が好きで
２日間という短くも俺達には長かった時間の中
その事を、俺は何故か必死に隠していたのだ
Aを俺の部屋で寝かせた時も
トントンに「惚れたか？」と聞かれた時も
大先生に「ヤキモチか」と茶化された時も
周りだけでなく
自分にまで蓋をしていた
男として情けないとは思う
話は戻って、今夜
Aの足りないものがわかった
あいつは、人を愛しはするが
愛されることが足りなかったのだ
だから俺はAの為にも
正直にこの気持ちを認めよう
Aが好きだ
あいつを愛したい。あいつに愛されたい
心の中で一人、決心した
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斬(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます…！今はこちらは温め中ですけども、更新再開はさせますので暫しお待ちを〜(*^^*) (2020年1月12日 17時) (
レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - コメント失礼します〜このシリーズも、他のシリーズも全て面白いです♪これからも頑張ってください(*＞∇＜)ﾉ (2020年1月12日 15時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
斬(プロフ) - ゆうりさん» 私もここまで続くと思ってませんでした…コメありがとうございます(*^^*) (2019年8月10日 21時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - こんなにたくさん書く気力が無い (2019年8月10日 20時) (レス) id: 82279f1e63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斬 x他1人 | 作成日時：2019年5月17日 21時
