７８話 ページ29
gr「突然すまん…やはり昼間の事が気になってだな…」
そう話すグルッペンは
悲しげな目をしていた
『大丈夫よ？何でグルッペンが悲しい顔をするの？』
gr「よく分からん…ただ何時もより寝付きが悪くてな」
『…取り敢えず、中に入って？』
gr「…あぁ」
私はグルッペンを部屋に入れ
椅子に座らせると
『少し待ってて』と言って
給湯室へ向かい、紅茶を入れた
『はい、カモミールティー。睡眠効果があるのよ』
温かいカモミールティーを渡すと
グルッペンはそれを一口飲んだ
私もベッドに腰掛け、一口
gr「ん……美味い」
『…良かった』
暫く、穏やかな空気が流れた
カモミールティーを飲みながら無言でいた
半分ほど飲んだ後
グルッペンが口を開いた
gr「たった２日だ。２日がこんなにも長く感じたのは初めてだ」
その目は私をじっと見つめる
少し薄暗い部屋で、綺麗に輝いている
『私もよ…今までで1番長い…』
gr「何か言いたい事があるんじゃないか？」
グルッペンは少し被せ気味に言った
そうね…言いたい事があった
でも、迷惑じゃないの？
するとグルッペンは私の目を見ながら
「はぁ…」と溜め息を付いた
gr「本当にAの目は正直だな…別に迷惑じゃないぞ。なら、話して貰えない方が迷惑だ。と言えばいいか？」
『……分かった』
gr「よし、話せ」
それを皮切りに、口が勝手に動いた
『…私自身が無責任で、幼稚な考え方ばかりで、何だか人間らしくなくて。心の奥底でそんな事ばかり渦巻いていて…前の城にいた時からこうだった。この城の皆さんといると、余計にそう考えてしまうの』
gr「…それで？」
『私、昔から【白雪姫】に憧れていた。【白雪姫】を何度も読んだの。子供の頃はただの憧れだったけれど、今は「私にはそんな自由になれない」「私はそんな心を持てない」って比べて、自分を貶してばかりで…だから、そんな自分が好きになれなくて…』
自然と涙が零れる
止めようにも止められなくて
ポロポロと落ち、膝の上へ落ちていった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斬(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます…！今はこちらは温め中ですけども、更新再開はさせますので暫しお待ちを〜(*^^*) (2020年1月12日 17時) (
レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - コメント失礼します〜このシリーズも、他のシリーズも全て面白いです♪これからも頑張ってください(*＞∇＜)ﾉ (2020年1月12日 15時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
斬(プロフ) - ゆうりさん» 私もここまで続くと思ってませんでした…コメありがとうございます(*^^*) (2019年8月10日 21時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - こんなにたくさん書く気力が無い (2019年8月10日 20時) (レス) id: 82279f1e63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：斬 x他1人 | 作成日時：2019年5月17日 21時
