４５話(syp side) ページ46
syp side
昼の後、俺は街に出た
仕事と言っても
Aさんの部屋に置く家具一色の買い物だ
街中を歩きながら
Aさんの事を思い出す
パーティー会場などでよく目にする
媚を売ってくる女や
権力に目が眩んで擦り寄ってくる人々と違う
とても素直な人だと感じた
【目は口ほどに物を言う】という言葉に習い
彼女の目を見て観察していたが
その瞳は優しく
嘘など到底つけないだろうと思った
疑っているこっちが恥ずかしかった
もう彼女を疑うような真似はしない
自分の目で判断したのだ
別にグルッペンさんが言ったからじゃない
優しく笑ったあの宝石のような笑顔を
護らなければと覚悟を決めた
彼女に似合いそうな白い家具を買い
家具屋の店主に城の門まで運んでもらった
暇そうにしていた大先生とロボロさんを呼び
３階まで運ぶ
その間、ロボロさんから
「Aさん、メイドの仕事するんやって」
と聞いた
これだけ用意とかした俺達への
せめてもの恩返しだそうだ
優しい人だ、と改めて感じた
ut「そんじゃ僕はこれで…」
rbr「ダメやで？あぁ、ショッピ君は休んどき？」
ut「は！？何でショッピ君は良くて僕はダメなの…」
syp「俺も最後までやりますよ」
rbr「ショッピ君、疲れてんやろ。顔色悪いで？家具はあと部屋に置くだけやから休みぃ」
…ここはお言葉に甘えて休む事にした
ロボロさん、後でお礼にセノ○ックあげますね
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
晩御飯前だった
早めに行こうと思い、食堂へ向かった
するとAさんがやってきた
晩御飯作りの手伝いだろうか
少しからかおうと思い
「明日から着るメイド服、楽しみにしてますよ」
と言ってみると
『そんな…恥ずかしいですね。私もみなさんのお役に立てるよう務めますね』
その彼女の照れた表情に言葉が出ず
syp「……はい」
としか言えなかった
俺の顔を見て彼女はキョトンとしていた
どうやら変な顔をしていたらしい
彼女が去った後の俺は
１人心穏やかでない時間を過ごしていた
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作者名：斬 | 作成日時：2019年4月26日 19時
