【wrwrd】籠の中の少女【gr】 (ページ34)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:110,053 hit

３３話ページ34

A side

『凄い…とても綺麗です…こんなにも広いのに見事ですね』

zm「せやろ？凄いやろ？」

tn「何でお前が自慢すんねん…」

４人で奥に進む
綺麗に植えられた花壇には
ちょうど今の季節にピッタリよ
スイートピーが咲き乱れていた
そこでスイートピーの花言葉を思い出す
今の私にピッタリだ
そんなことを思っていると

スイートピーの花壇の隣
大きな牡丹の木の影に人がいるようで
その方は木から顔を覗かせた

？「…グルちゃん達珍しいね、ここに来るの…あぁ姫さんの案内か」

白い帽子に赤いバッテンが描かれた白マスク
白ズボンに黒いTシャツを着た方が立ち上がった
土だらけの手袋を取り帽子を外し
額の汗を拭っていた

『あの…この庭園は貴方が？』

ht「うん。あ、僕はひとらんらん。まぁ…ひとらんとからんらんって呼んでよ。よろしく」

『ひとらんさん…よろしくお願い致します』

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

その後「動物見る？」と聞かれ
そもそも鳥しか直接見たことがなかった私は
自分でも驚く程の即答で『はい』と答えた

ガラス扉を開け、城内に戻り
城門から外へ出て城の裏に行く
すると林があり、小さな小道が続く
林を抜けると広大な土地が広がっていた

道中、ビニールハウスの側を通った時
そこを見ていたトントンさんが
ひとらんさんに話しかける

tn「ひとらん、この前の野菜めっちゃ美味かったで」

ht「え、ホント？良かった〜」

『野菜も育てていらっしゃるのですか？』

ht「うん。グルちゃんが環境を整えてくれてるから年中採れるんだ。本当にありがたいよ」

そう言いながらこの時期では実らない
赤く宝石のように綺麗な
トマトを指さす

お礼を言われ
得意げな顔をするグルッペンさん

『…美味しそうな野菜ばかりですね』

ht「食事の時に出るからその時に食べてみてよ」

『楽しみにしてます』

彼はとても優しい方のようで
他の３人が話す中、口数が少ない彼は
ブラックオニキスを思わせる黒い目で
彼らを見ていた
その目はとても柔らかく、暖かい目だった

ーーーーーーーーーーーーーー

はぁ〜
まさかこんなにも城案内が長いとは
これまだまだ続きまっせ
甘いものがご所望の方…ごめんなしゃい…
(作者も早く甘々書きたい)

因みに
スイートピーの花言葉には
「門出」というものがあります
本当に今のAさんにぴったりですね！