【wrwrd】籠の中の少女【gr】 (ページ2)

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１話ページ2

Asaid

窓からの輝く光と
ﾁｭﾝﾁｭﾝという囀りで目が覚める

いつも通りの朝６時半

眠い目を擦りながら窓を開けると
囀りの主の小鳥たちが私の手に止まった

『おはよう
今日もいい天気ね』

そう言うと小鳥たちも返すように鳴いた

『はぁ…今日も一日、退屈だわ…もうすぐ成人するというのに…何時まで私はここにいなければならないのかしら』

広く、ベッドやタンスなど
必要最低限の物しか置いていない
白を基調とした味気ない部屋で
その言葉は虚しく響いた

一日３回ほど部屋にやってくる
メイドさん達を待つ何時もの日々

我ながら悲しい人だと思う

ﾒｲﾄﾞ「ｺﾝｺﾝ))失礼します。朝食をお持ちしました」

『ありがとう。…そんなに畏まらなくていいのよ？』

ﾒｲﾄﾞ「…ありがとうございます。相変わらず姫様は美しくて心優しいですね！」

『ﾌﾌｯ)褒めてもなにもでないわよ？』

二人で笑顔を交わす
これが私の楽しみ

ﾒｲﾄﾞ「そういえば…姫様に朗報ですよ！それも確かな筋です…！」

『朗報…？』

ﾒｲﾄﾞ「まだ公になってないのですが…姫様の成人パーティーを行うそうです！しかもパーティーで姫様のお披露目をするそうですよ！！」

『…！！それは本当？』

ﾒｲﾄﾞ「えぇ！沢山の王族や貴族の方々をお呼びになるそうです！」

『そう…でもどうして今まで閉じ込めてきたのに…こんな手の平を返すようなことを…？』

ﾒｲﾄﾞ「さぁ…王様の考えは分かりませんが…でもこれを機に、姫様の婚約者もお選びになるのでしょうかね？」

『信じられないわね…私が言うのは変だけれど、お父様は親馬鹿だもの』

ﾒｲﾄﾞ「同感です」

そう言って二人でクスクスと笑った

ﾒｲﾄﾞ「日付は姫様の誕生日だそうですよ？あと一週間ですね！城の使いの者は皆、心優しい姫様の誕生を祝っています。」

『そう言ってもらってとても嬉しいわ』

ﾒｲﾄﾞ「はぁ…籠の中の鳥のような姫様をカッコよく攫って下さる王子様が出てきてくれることを祈ります…」

『そんな事、起きると思えないわ…』

ﾒｲﾄﾞ「もし攫ってくれそうな殿方がいらっしゃったらちゃんと“私を攫って下さいませ”とお願いするんですよ？」

『私を攫う物好きなんて居ないし、そもそもそんな事したらお父様がなんと仰るか…』

ﾒｲﾄﾞ「何言ってるんですか…姫様の美しさは天下一品です！」