うらさんの妹、よな？【あほの坂田。】

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うらさんの妹。






その言葉は間違いなく、私を"浦田渉の妹"として見ていることを表していて。






なんだか、治りかけの傷口に容赦なくナイフを入れられたみたいに痛かった。






『、そう、ですけど、』






なんとかそれだけ口にすると、名前覚えてくれてたんだなぁ、とか、クラスメイトに話しかけられて嬉しい、とか、そんな感情が一気に萎む。






「やっぱりそうなんや！浦田って名字珍しいし、髪の色とか目元とかそっくりやったからずっと思っててんけど、」






ぺらぺらと話し始めたそのクラスメイトは、ふと思い出したように言葉を切って。






「言い忘れてた！僕、坂田明っていいます、よろしくね、…ええと」






あぁ、やっぱり下の名前は覚えられてないんだな。わかりきってたことだけど、なんだかまた胸が痛んで。






『…浦田、Aです。よろしくね、坂田くん』






なるべく違和感を感じられないように、へらり、笑ってみせる。






「そっか、Aさん！浦田さんやとうらさんと被っちゃうからなっ、うん！」






1人納得したように頷いて、坂田くんは一旦間を置いた。






その真面目そうな雰囲気に、私は思わず身構える。






「……ところで、軽音部の部室ってどこかわかる？」

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