Sing a song. ２【歌い手短編集】

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「たぶん疲れが出たんだろ。最近、委員会頑張ってくれてたし」









毛布を私にかけながら、うらた先生がちょっと怒った顔で言う。









「保健委員会担当の俺としては助かるんだけど、保健室の先生の俺としては心配だから。あんまり無理すんなよ？」









私を思って言ってくれてる、そのことは痛い程わかって。









でも、…いや、だからこそ、辛かった。









『…だって、うらた先生に、褒めて貰いたくて』









熱のせいか、うまく回らない舌で懸命に言葉を紡ぐと。









うらた先生は目を少し丸くした後、困ったように笑った。









「俺が褒めなくったって、Aは成績優秀だから他の先生達にたくさん褒められるだろ？」









…なんで。









どうして、この人と学校で出会ってしまったんだろう。









教師と生徒、なんて関係じゃなければ、今すぐその袖を掴んで、想いを伝えられるのに。









『…うらた先生じゃなきゃ、嫌です、』









これだけしか、言えなくて。









きっと先生の目には、ただの我儘な生徒としか映ってないんだろう。









私がわざわざ保健委員会に入ったのも、熱が出る程資料纏めを頑張ったのも、うらた先生に会うためなんて考えもしないんだろう。









「…何、言ってんだよ」









微かに笑いながら、先生は私の髪を軽く梳いて。









その心地良さに、私はふ、と目を閉じた。









「………そんなこと言われたら、俺、本気になっちゃうよ？」









そんなうらた先生の呟きは、微睡みに堕ちた私の耳に届かなかった。






fin.





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リクエストありがとうございました！保健室の先生で看病ネタ一度やってみたくて挑戦したのですがどうでしたでしょうか…あんまり看病感なくてすみません(；_；)

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