Sing a song. 【歌い手短編集】

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ぱたぱたぱたぱた。









昇降口で聞く雨の音と、傘の下で聞く雨の音とは、やっぱり違ってて。









髪が爆発するのは嫌だけど、この音は嫌いじゃないなぁ、なんて考える。









………うん、まぁ、こんなこと考えるくらい、同じ傘の中に入るまふくんとの間に会話がない訳ですが。









A)…あのぅ、まふくん、









まふまふ)ひゃいっ！？









びくぅ、露骨に肩を揺らしてまふくんが驚いた。その衝撃で、傘の上に乗った雨粒が跳ねる。









A)…どうして、私に傘貸そうとしてくれたんですか？









これは純粋な疑問だった。









私とまふくんはクラスが一緒と言えども、全くと言っていいほどしゃべらない。









まふくんがそもそもあまり人と話すのが得意じゃないっていうのもあるんだけど、…なんとなく、私が話しかけようとするとこうやって驚くというか、びくびくするっていうか。









だから嫌われてるのかなぁ、なんて勝手に思ってて、そんなに関わらなかったけれど。









まふまふ)…ぅ、あ、それは…、









やっぱり話すのは苦手なのか、もごもごと傘の柄を揺らすまふくん。









まふまふ)…僕、Aさんのこと、ずっと見てた、っていうか、









A)………へ？









突然の衝撃的発言に、目を丸くする。









まふまふ)あっ、ストーカーとかじゃないですからっ！









固まる私を見て、まふくんが慌てて弁解する。









まふまふ)じ、実は……Aさんと、話したいなって………思ってて、

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