Sing a song. 【歌い手短編集】

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A)…な、なるせ？








状況に着いていけない私は目を白黒させてなるせを見る。








なるせ)Aはさ、俺のこと好き？









唐突に投げつけられた爆弾発言。









A)いっ、今更何を、








なるせ)ねぇ、好きなの？









真剣ななるせの顔に、私はたじろいだ。









A)す、き、だけど…







恥ずかしくて視線を逸らそうとするけど、なるせが許してくれない。









なるせ)俺達さ、付き合って結構経ったじゃん？









A)う、うん、









なるせの意図が読めなくて、躊躇いがちに頷く私。









なるせ)だから、さ、









ぐいっ、なるせが顔を近づけてきて。









なるせ)…そろそろ、Aのこと食べちゃってもいいよね？









耳元で、甘く甘く囁いた。









A)なっ……！？









何、た、たべ、る……っ！？








なるせの言葉と耳にかかった甘い吐息とで、ぶわわっ、と顔に熱が集まる。








なるせ)ははっ、顔赤くしちゃってかぁわいい









かたり、机が揺れる音が、私達以外誰もいない教室に響く。









なるせ)でも…拒否しないってことは、いいんだよな？









ちゅぅ、









荒っぽく押し付けられた、なるせの唇。









いつもの浅いのじゃなくて、深い。









A)んっ、は…な、るせぇ…









なるせ)…何それ、誘ってんの？









そう言うなるせの顔は、もう完全に"男"だった。

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