Sing a song. 【歌い手短編集】

花火大会 *まふまふ* ページ1

まふまふ)……うぅあ、






昼休みの階段の踊り場。


むわっとした空気のせいで伝ってくる汗を拭いもせず、僕は踊り場を行ったり来たりしていた。


あぁもうやばい、どうしよう。やっぱりやめとこっかな…





A)…まふ、くん？




まふまふ)ひぁっ！？





僕の名前を呼びながら階段を降りてきたのは、僕が求めてた人で。


でも心の準備がまだ、待ってそんなに見つめないで首こてんってしないで…！





A)何してるの、こんなとこで？




まふまふ)あ、えっとっ…、






用意してきたセリフはあるのに、頭が真っ白になって出てこない。


こんな時くらいちゃんと働け、僕の脳みそっ…！


とりあえず何か言わなきゃ、Aちゃん困ってるってば。


声、こえださなきゃ、







まふまふ)…はなっ、花火大会！！！！




A)…はなび、たいかい？






やってしまった。


思いっきり順番間違ってるじゃん、ほらAちゃんきょとんとしてるよ。



…だーっもう、こうなったら当たって砕けろ！









まふまふ)僕とっ花火大会に行きませんか！！！！！

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